有名・無名に関わらずお寺が好きだ。
といいつつ、札幌に来て以来、ほとんどお寺に行っていない。 そもそも札幌ではあまりお寺を見かけないような気がする。 いや、人が生活しているのだから、お寺はあるはずだ!
…というわけで札幌市内のタウンマップを購入し、探してみると、お寺はけっこうあった。 オリエンテーリングよろしく、あちこちのお寺をめぐったところ、どれも「ハイブリッド(混ざった)感」あふれるお寺ばかりだった。
そんなハイブリッドなお寺たちを紹介します。
(text by 加藤和美)
気づかないが確かに存在していた――民家との融合
地図で探してみれば、じつはかなり身近にあったお寺たち。
なぜそれに気づかなかったのか?
それはひとえにお寺が何かと融合していたからだ。 お寺といえば、「木造で」「古びていて」「おごそかな」建物だと思っていたが、それは違った。 新しい町札幌は、お寺まで新しかった。
というわけで私の勘違いと共に、ハイブリッドなお寺をごらんあれ。
こちらの建物、地図にも載っている立派なお寺さんだ。
私の通勤路そばにあったのに、11年ものあいだお寺だと気づいていなかった。 看板も出ているのだが「きっとこの近くにお寺があるのだな」と勝手な脳内変換をかましていた。
よく見るとお地蔵様もいらっしゃる。 まったくもってお恥ずかしい。 いまさらながらこのお寺に対して、非常に申し訳ない気持ちでいっぱい。
こちらも限りなく自宅、もしくは公民館っぽいが、左側はれっきとしたお寺さん。
近づいてみると入り口には仏像が置いてあって、確かにお寺だ。 前述のお寺といい、「看板がないとわからない」、隠れスポット的な魅力がある。 もちろんお寺自身は隠れているつもりは毛頭ないのだろうが。
どうでもいいが、右側のお宅が中学時代の友達の家にそっくりだ。
お寺の横にマンションが建っているのではない。 ふたつの建物はちゃんとくっついている。
ここもよく通りかかる場所だが、マンションの影に隠れていて、お寺の存在を知らなかった。改めて見ると大きなお寺なのに、なぜ今まで気がつかなかったのか。
たんなる注意力散漫か。
こちら、右にある建物は幼稚園で、左にあるのはお寺さん。 お寺さんは別の建物の後ろにあるので、幼稚園しか気づかない。
なんともひかえめなお寺だ。 お寺への入り口と通路が細いのもひかえめ。
こちらも幼稚園と隣接したお寺さん。 融合はしていないが、かなりの密着度だ。
この至近距離で鐘を突かれたら、となりで昼寝をしていた幼稚園児がたちどころに飛び起きるのではないかと、余計な心配をしてしまう。