乾杯
まずは水で乾杯する。ビールのように勢いよく水を飲み干しておかわりを頼むと金沢さんが壺を持ってきた。壺?
「これに水入れておいたんで、自分で汲んでよ」
忙しいのに(この日、京菜は満席だった)、ただの水のために従業員が動くのはまずいと判断したのだろう。笑顔のなかにもビジネスライクである。
わかったこと1
水はおかわりしても持ってきてくれない |
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どれくらい飲めるか、という前に意外な発見である。
お通しはウニが乗ってる茄子の湯葉包みだった。ウニを食べたあとに水を飲むと、濃厚な味があっというまに薄くてぼんやりした味になった。遠くのほうにウニの匂いがする水が口の中にたまっている。ぎゅうぎゅうにつまっていた味がほどけてゆく。
わかったこと2
水でつまみを食べると味がばらばらになる |
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ふだんウーロン茶を飲んでいる三土さんいわく
三土:「ウーロン茶は味を洗い流すけど、水は薄まりますね」
だそうだ。そのあとにやってきた焼はまぐりもうまみ成分があっというまに薄まって海水浴場みたいな味になった。
水でつまみを食べるのが面白くて、開始20分も経たずに全員が水のおかわりをもらっている。意外なハイピッチで進む水飲み会だ。でも全員シラフ。 |