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ロマンの木曜日
 
徳次郎に会いたい

徳次郎は季節も先取りしがち。生き急ぐな、徳次郎!
徳次郎は見あたらない
昌男なら見つかった

意外に無関心な徳次郎

そのあと何人かの地元の人にも徳次郎の由来を聞いてみた。

けれども納得の行く答えは返ってこなかったんだ。
みんな自分の名前の事なのに無関心。
汝自らを知るべきなのに。

しまいにゃおばさんに、
「地名なんてどこでもそういう物ですよ!むかしから徳次郎だからここは徳次郎なんです。理由なんか無いの。そうでしょ。」
って怒られてしまった。

まいったよ。
忙しそうな人に聞いちゃったボクが悪いんだ。
徳次郎が悪いんじゃないよ。

すぐにこの場を逃げ出そうと思ったけれど、お説教はまだ続くんだ
「あなたどこから来たの?そう、東京。じゃあ、あなたは東京(という地名の)の由来ご存じなの?」
まるですごい剣幕なんだよ。
思わず知りませんって答えちゃった。

きっと東にある京だからなんだろうとは思うけれども。

でも本当はやさしい徳次郎

厳しさのあいだから優しさが見える。
それも徳次郎だ。

その次に訊ねた人に、
「向こう側に市役所の出張所があるから行ってみたら。その中のちいさな図書館の、資料コーナーに地元史の小冊子が置いてあるから、きっとそれに書いてあるんじゃない。」
と教えてもらった。

捨てる徳次郎あれば拾う徳次郎ありだ。

 

 

徳次郎、ゆりかごから墓場まで
徳次郎モバイル

そとくじらが徳次郎に

教えられた通りに、出張所の資料コーナーに行ってみたら、「富屋村史」という本があった。
どうやらこの辺りは、富屋村という村だったらしい。そしてここ徳次郎は、富屋村大字徳次郎だったんだ。

その、富屋村史によると、今から1200年前に日光で勢力を誇っていた久次良一族っていう族が山を下りて来て、この辺りに暮らし始めたらしい。
だからこの場所を久次良の外だから外久次良(そとくじら)と呼ぶようになったんだって。

それが転訛して外久次良→とくじら→徳次郎になったという事なんだ。

へー、人に歴史ありだね。

徳次郎は人じゃないけど

 

ありがとう、そしてさようなら徳次郎

徳次郎は日光街道の宿場町としてその昔は栄えたらしいけれど、今はもう、その頃の面影は無かった。

天国にいるボクのじいちゃんも、若い頃には楽しい事や悲しい事、つらい事やそれ以外の何でもないふつうの事なんかが、いろいろあったのだろうけど、今のボクにはそれを想像する事しかできない。

そんな風なことを、徳次郎に来て考えた。

ああ、そして、そういえばボクのじいちゃんは「工藤陽一」という名前で「徳次郎」ではない。

ずいぶん古い小冊子
全然知らない町の歴史もそれはそれでおもしろい

 

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