意外に無関心な徳次郎
そのあと何人かの地元の人にも徳次郎の由来を聞いてみた。
けれども納得の行く答えは返ってこなかったんだ。
みんな自分の名前の事なのに無関心。
汝自らを知るべきなのに。
しまいにゃおばさんに、
「地名なんてどこでもそういう物ですよ!むかしから徳次郎だからここは徳次郎なんです。理由なんか無いの。そうでしょ。」
って怒られてしまった。
まいったよ。
忙しそうな人に聞いちゃったボクが悪いんだ。
徳次郎が悪いんじゃないよ。
すぐにこの場を逃げ出そうと思ったけれど、お説教はまだ続くんだ
「あなたどこから来たの?そう、東京。じゃあ、あなたは東京(という地名の)の由来ご存じなの?」
まるですごい剣幕なんだよ。
思わず知りませんって答えちゃった。
きっと東にある京だからなんだろうとは思うけれども。
でも本当はやさしい徳次郎
厳しさのあいだから優しさが見える。
それも徳次郎だ。
その次に訊ねた人に、
「向こう側に市役所の出張所があるから行ってみたら。その中のちいさな図書館の、資料コーナーに地元史の小冊子が置いてあるから、きっとそれに書いてあるんじゃない。」
と教えてもらった。
捨てる徳次郎あれば拾う徳次郎ありだ。
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