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ちしきの金曜日
 
消えかかった赤

○○の○○

今回最も多く見かけた「消えかかった赤」は前ページ最後にもあった、犬のフンの始末を呼びかける看板だ。

いや、「犬のフン」について語っているに違いないと思うのはぼくの推測に過ぎない。なんせ肝心な部分が消えかかっているから。もしかしたら「受信ボックス」の「スパム」かもしれない。


まるで放送できない用語を伏せたのかのようなじらしぶり。

なんとも言えない犬のとぼけた表情も良いが、問題は伏せ字のようになってしまっている本文。まるでお笑い番組でのお題のようだ。「○○の○○は飼主の手 で!!」さて、○○にはなにを入れる?どうボケるべきだろうか。ぼくだったら「飼主の」の後に何かを入れたい。まるでここにも何か赤い文字があったように 見えないだろうか。

犬による脱糞の描写が消えた赤を補ってあまりあるメッセージを伝えている点に、作者の赤が消えてしまったときのリスクヘッジを感じる。

飼い主の頭部および上半身も消えている点にぐっとくる作品である。


そう遠くない日にきれいに消えてしまうと思われる作品。

上はまさにいま消えかかっている赤。今後定点観測的にこの看板を追い続けるのも面白いかもしれない。いったいどれぐらいかけて赤い字は消えてしまうものなのか。

しかし、「あの赤い字が消えたときあたしは死ぬんだわ」と思いこんでいる病床の少女もいるかもしれないと思うといてもたってもいられない。「最後の一葉」のベアマン老人が赤いペンキを使わなかったことを祈りたい。


絵文字に作者の意欲が見える作品。肝心の部分も絵だったのかどうか気になる。

上は犬を絵で表現したユニークな作品。フンの描写も独創的である。

気になるのは消えてしまった「フン」の描写も絵だったのかどうかである。絵で、しかも赤で描かれていたのなら消えて良かった、と言えるかもしれない。

本ページの一番最初の看板もこの看板もそうだが、ここ向日市は「消えかかった赤」の宝庫であった。次の作品も向日市のものである。


何を注意されるか、お好みのままに。

かろうじて残ったコピーライト表示からどうやら川に関係ある内容のメッセージが書かれていたことが推測できるが、その詳細は陽射しの中に失われてしまった。 ゴミを捨てるな、ということかもしれないし、生活排水に関する内容だったかもしれない。はたまた最近ご無沙汰のタマちゃんに関することだったかもしれな い。

空白の看板に向き合うものが様々なメッセージの可能性を考えることで、はからずも川に対する思索を深めることとなる。現代美術の趣すら感じる看板である。


 

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