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フェティッシュの火曜日
 
フェリーで横浜から東京まで

しかもこんな大型船なんだよ


 東京と横浜の間を移動するなら、車であれば高速道路を利用して、電車であれば東海道線、湘南新宿ライン、東急、京急などを利用して行くことができる。20kmという結構な距離があるのに、横浜から東京までサクッと移動できる。素晴らしい。

 そんなスピード移動時代の今、東京横浜間をゆっくりと航行するフェリーが運行しているのを知り、さっそく乗ってみた。

ライスマウンテン

桟橋からの眺めも横浜ビギナーには新鮮

 

切符売り場は東京行きの変わり者(?)のために営業中

 

お土産屋で時間をつぶす。やはり東京に行くだけなのに旅情漂う。

 

伊豆七島からはるばるやってきた!

 

下船で旅はクライマックス。対して場違いな自分。

とりあえず乗っちゃいましょう!

 横浜発東京行きのフェリーは18:30発のみ、しかも土日限定とかなりマニアックな定期船だ。「今や船の時代ではないのか!」と適度に叫んでおいて、乗船するために横浜の大さん橋へ。みなとみらい線で大さん橋の最寄駅である日本大通り駅へ。

  日本大通り駅を地図通りに大さん橋に向かう。実は横浜って観光で中華街くらいしか行ったことがなくて、大さん橋に向かう途中も、横浜らしいハイカラな雰囲気の店が並び、何度となく足が止まってしまった。今回は船のためスルーしたが、今度じっくり見ようと思った。そんなこんなで日が沈みそうなころ大さん橋へ到着。もう暗いならば横浜から東京まで夜景を楽しむか。

 

桟橋のフェリーターミナルへ

 大さん橋の船着場は、その名を横浜市大さん橋国際客船ターミナルというだけあり、ターミナルの中はまるで成田空港か関西空港かのような、人々の発する「これから旅行するぞ」オーラに包まれていた。

 東京行きのフェリーを運航するのは伊豆七島と東京や伊豆半島を結ぶ東海汽船。東海汽船の切符売り場を捜す。

 チケット売り場を発見するも、乗りそうな人もいなければ、売り場に人影もない。乗り遅れたのか。欠航となったか。不安になり声を切符売り場に向けて出す。
「すいませ〜ん」
遠くからおじさんの声が聞こえる。
「お客さん東京行くの〜?」
「はい。」
「ちょっと待ってね。(売り場に向かって)お〜い、東京行きの切符一枚作ってくれ!」
 チケット売り場はちゃんと機能していた。客がいなかっただけだった。
切符は1370円。東京まで1時間半。時間も値段もゆったりな移動だ。

  船は伊豆七島の神津島発、式根島、新島、利島、大島経由横浜、東京行き。なるほど、横浜発東京行きのフェリーは伊豆七島発のフェリーだったのか。

 

乗り場でひとり

 2番ゲートで待つよう言われ待つも自分ひとり。間違ってないか不安を覚えるが、間違ってなかった。時間が来ると、東海汽船の職員さんがゲートを開け、自分ひとりを誘導し、職員のおじさんと二人きりで乗船口へ向かう。気分はVIPだ。
「いつも誰も乗らないんですか?」
と聞くと、職員のおじさんは納得の回答。
「クリスマスとかは夜景を見るためにカップルが結構乗るんだよ」

「ちょっとここで待っててよ」
職員のおじさんに言われるままに乗船口で待つ。目の前にはベイブリッジ。乗船口からのベイブリッジは俺だけのもの!なんて誇ってもなんだかお寒い。一人で待つということをしたことがなく、何をすればいいのか分からない、そんな自分を再発見。

 そんなことを考えていたら伊豆七島からの東京行きの船がやってきた!

 

まずは降りる人が優先

 着岸すると「お疲れ様でした。横浜です。」という船内のアナウンスとともに、横浜で下船する人々が続々と降りる。たくさんの人々がゆっくり旅の終わりをかみ締めながらこれから乗船する自分の横を通り過ぎる。東京まで乗る人々が横浜で下船する友人に向かって手を大きく振り「また一緒に行きましょ〜!」と叫ぶ。自分はこれから乗るというのに!

 横浜で下船する人々が全て船を後にしたあと、ひとり乗船した。今まで手を振っていた人からの視線を浴び乗船。なんだかものすごくはずかしいぞ!


 

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