人は自分の体の一部を強調するために、何かをつけるということをする。つけまつ毛やつけヒゲが代表的な例だ。
そして、最近になって登場したのがつけ乳首。人気のテニスプレーヤーがつけているのではないかとされたことで、一気に認知されたと思う。
日本ではこれまで隠すべきものとされてきた乳首。それを強調するという逆転の発想も衝撃的だった。
私たちに混乱と価値の転換をもたらしたつけ乳首。今回は自由な気持ちでつけ乳首をつけてみました。
(小野法師丸)
●噂のアイテムを今この手に
つけ乳首というものが世の中に存在することを知って、どれくらい経つだろうか。個人的には軽くフィーバーしたわけだが、実際に目にしたことはなかった。そういう人が多数派ではないだろうか。
まだ見ぬ憧れとしてのつけ乳首。心の中だけにあったそれを、今回は注文して買ってみた。
こんにちは!つけ乳首
いざ目にしてみると、コメントに困る。
胸の奥の方でひっそりとその姿を描いていたものが今ここに。面はゆさとか含羞とか、煙に巻いたような言葉でごまかしたくなる感じだ。
外国製品であるらしいこの製品。商品名も英語表記でニップルエンハンサーと書いてある。その字面と響きには工作機械のような雰囲気さえある。
なんとなくはにかみながら封を開ける。手にして気がついたのは、その大きさだ。
でかいな、と思ったのでものさしで測定した結果、直径4.5cm。よろしければ親指と人差し指とを開いて、大体でいいので4.5cmを作ってみていただけるだろうか。
でかくないですか。聞いている内容が内容だけに、思わず聞き方もですます調です。
まあ大きさの感じ方は、人それぞれでもあるよね。口調が急にフランクになったところで、やはりここは本来の使い方を試してみたい。
モデルが私で恐縮だが、付属の両面テープを裏面に貼って胸につけてみる。自分なりにアレンジしてみたのだが、なんだかあり得ない感じになってしまった。
普通、そこに乳首はない。説明がつかない。
現実以外の場所に乳首を現出できるのがつけ乳首の強みでもあるが、これには無理がある。別の場所につけ直そう。
ここにも普通、乳首はない。いくらがんばってみても、乳首に見えてこない。それがつけ乳首だとしても、ロケーションはやはり重要なのだ。
そして場所のことはともかく、「ポッチが小さい!」とお怒りの方もいるかもしれない。
そう、直径はともかく、高さについては控えめなのだ。
乳首を強調する道具であるはずなのに、決して誇張しすぎない。絶妙なバランス感覚は計算され尽くされているようにも感じられる。
ここまでお読みの方は、すっかりつけ乳首博士になっている頃だろうか。次ページではさらなる殻を破ります。