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ひらめきの月曜日
 
味つけ海苔の“味”を切り出す

味つけ海苔から、海苔を引くと味が残る。

味つけ海苔-海苔=味

今日は、そんな味付け海苔の“味”を作ってみようと思う。

色んな食材に付ければ、どんな食材も“味付き○○”になる、というわけだ。

(text by 古賀及子





我こそが味、というネーミング

世の中には本当にいろいろな味がある。しょっぱい、あまい、すっぱい、からいエトセトラエトセトラ。けれど海苔に言わせれば、あの、甘しょっぱい醤油味こそが“味”だというのである。

こう考えると味つけ海苔、ときに味海苔とも呼ばれるが、かなり大きく出たネーミングだと思う。

感心しながら、味、作っていきましょう。


16%増量の上部がドイツカラー。W杯記念増量か、いやまさかこのツヤこそが“味”というわけだ

改めて食べてみる

味つけ海苔、私にとっては旅館などでないと食べる機会のないスペシャルな食材だ。

あらためて食べてみると記憶よりもグッとパンチの効いたピリ辛だった。ぶっちゃけ、味付け海苔の味(この“味付け海苔の味”という言葉もなんだろうという感じで楽しい)は、単にめんつゆの味なんじゃないかと思っていたのだが、めんつゆが複雑なやわらかい味なのに対し、味つけ海苔は超ストレートだった。

市販の多くのめんつゆと違い、味付け海苔は出汁も昆布だけでカツオは使っていないらしい。やっぱり味付け海苔の原材料を参考に調合していくことにした。


めんつゆにはカツオが使われている。(味付け海苔の)味とは違う味のようです

私が買った味付け海苔の原材料に書かれていたのは以下のとおりだ。そのほか、スーパーで何種類か確かめたがどのメーカーも微妙に違う程度でだいたいは同じようだった。

海苔、醤油、砂糖、昆布、みりん、清酒、唐辛子、エビエキス、食塩、調味料、甘味料

この海苔をのぞいたすべてをあわせたものが味、というわけだ。


味作り、開始

だし汁をとったら、そこへ料理の基本「さしすせそ」の法則に従い少しずつ調味料を加える。

食品のラベルにある原材料表示は、量の多いものから順に書いてあると聞いたことがあるので、表記の順に従って量を調節していった。


全調味料を混ぜ、ひと煮立ちさせる

ポイントは唐辛子と味の素

思いのほか辛いな、というのがじっくり味わって食べた味つけ海苔の感想だ。なので、唐辛子も輪切りのものを割合思い切って入れた。

さらに、原材料にある「調味料」は「(アミノ酸)」とあったのでいわゆる うまみ調味料のことだろうと踏んで味の素を投入。


結局、この量よりもうちょっと足した近頃の味の素のこのかわいいパッケージは何事だろう

いちおう、できました!

料理は足し算、引き算はできない、という誰かの教えの元、調味料は超微量をちまちま足していった。

辛味を入れたため、だんだん味わいが分からなくなるのに参りつつ「あれ、これずいぶん近いんじゃない?」という味まで到達した!


味付け海苔と食べ比べ、言葉通り味見。おお、味だ!

これが、味か……。と思うと感慨もわいてくる。地球上で多くの人々が様々な味つけを料理に施す中、私はまさにいま「味」を手にしているのだ。

早速晩の食卓に出して色々な食材に“味”を付けてみよう。今回作成した“味”の配合レシピもあわせてお送りします。


味が、できました


 

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