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フェティッシュの火曜日
 
押してはいけないそのボタン
押したい!その黒い小窓を押したい!


休み時間、突然鳴り響く火災警報。一瞬騒然となるも、生徒も教師も「またかよ、誰?」って表情を見せる。また隣のクラスのいたずら者が押して逃げたみたいだ‥小学校なんかでよくある一シーン。でも、自分もあの禁断のボタンを押してみたいと思ったことはないですか?

ダメと言われるからこそ押したくなる‥。オトナの常識と自制心、そして好奇心をせめぎ合わせる街のボタンを集めてきました。

大坪ケムタ



定番の押してはいけないボタン

「押してはいけないボタンを押す」定番というと、いわゆるピンポンダッシュ。だが、最近ではそういうイタズラの話もあまり聞かない。集合住宅が増えた、カメラやセキュリティ付の家が増えたというのもあるだろうが、有名人の家なんかはいまだにやられたりするのだろうか?


ピンポンして100m9秒台で逃げ去りたい

学校の近所にヤの付く職業の人とウワサされる自宅があり、そこをピンポンダッシュ出来るヤツは勇者だ、という伝説があった。ド田舎のくせに玄関前にカメラもあるだけに確かにチャレンジには困難を伴った。一度やったら二度とその家の前は通れないだろう‥。竜王やシドーよりもリアルで怖い存在として身近にあった。「自転車で駆け抜けながらはどうか?」「顔隠しながらは?」いろいろアイデアは出しあったが、結局卒業まで誰も実践できなかったように覚えている。

年を追う事に夜がどんどん明るくなり、夏の頃やってた「きもだめし」が出来なくなった。闇が無くなっていく替わりの新たなきもだめしがピンポンダッシュだったのだろう。その行為の先にある闇はきもだめしより深いと知ってたからか、勇者は誰もいなかったけど。

そして前述の火災報知器、ちょっと今風バージョン。


左側は昔ながらですが‥。
右はボタンが多くて、押したさ増加!

近所の立ち飲み屋の一階にあった、ご存じ火災報知器。とはいえ、小学校にあったような赤いマルのやつとはちと違う。火災が起きるとランプがついたり、声が聞こえたりするっぽい。「停止」ってボタンもあるから、一瞬押したら即止めれるのかも‥と思うと指先がフラフラと‥いや、イカン!押しちゃダメだ!こういう「ちょっとだけなら」と思わせるのが一番コワイ。

ただこの店の場合、ボタンを押す時のドキドキよりも上の階がニューハーフクラブ、さらに


向かいがメイドバー
隣がラブホテル

というので、大騒ぎになった時の風景がちょっと興味ある。これ押したらどんな人が周囲のビルから出てくるのか‥いや、もちろん火災はダメ、ゼッタイ。イタズラもダメです。

これらのボタンは「押そうと思ったらいつでも押せる」のが誘惑の理由。火災報知器みたいにカバーがついてるとムリヤリ割ったりしなくちゃいけないだけに、まだ自制心が働く。このボタン一押しでこの地に混乱が‥そんなカオティックな魅力を持つボタンが意外なほど街には転がっている。

 

駅には禁断のボタンがいっぱい

そんな「押したいけど押しちゃいけないボタン」、がゴロゴロしてるのが駅・電車の類だ。


黄色ボディに赤目玉の派手なヤツ

人が線路上に転落した時のための非常停止ボタン。駅によっては結構な数が設置されている。

よく「電車を止めたら1千万円鉄道会社に支払わなければいけない」という噂を聞く。ホントかどうか知らないが、そう聞くと軽い気持ちでは押せない。そもそも押さない機会が多いにこしたことはないが。だが、そういう噂がシャレや酔った勢いで押す人を減らしてるのかも。としても、まだまだ多いよ駅のボタン!


 

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