つかの間の休息を得るマリオ
スーパーマリオというゲームは、一言で言えば「悪者に捕まった姫を助けるため、悪と戦いながら面白い風景の中を進む冒険」である。つまり私たちが見るマリオは常に悪と戦っている中途なのである。エアギターで汗を流したりはしていないのである。
なので、それをオンの状態とすれば、今回再現したいのは「オフ」の彼。まずはウィンドウショッピングをしてみた。
某百貨店地下の食品売り場に行く。
キノコ売り場で立ち止まってしまった。いろいろな種類のキノコたち。今でこそこうして手にとって、晩のおかずにしようかなどとのんきなことを考えていられるが、戦闘中はこの同類と戦ったり、カラフルなキノコを手にいれてパワーアップしたり、大変だったのだ。
平和が一番である。
さて、地下街を冷やかしながらビル街でも散歩しに行こう。
途中、どうしても、すれ違う人々が私を、というか私の格好をがんがん見ている、気がしてしょうがないのだった。自意識過剰になっているのか、あるいは本当に目立ってしまっているのか。
びくびくしながらも、道端に花を見つけると反応してしまう私だ(マリオは花をゲットすると火の玉を出せるようになる)。
マリオ初の新宿である。スカイスクレーパーを見上げ、彼は何を思うのか。最上階に姫が幽閉されているとでもいうのか。