初めて地下足袋を履いたのは、当サイトでの祭り取材のときだった ( 「知らない町の祭りに参加」 )。その独特の履き方とか、指の割れたところの牛っぽいたたずまいとか、なかなか魅力的だと思っていた。
地べたと限りなく近い履き物。それを祭りや高所作業のときだけでなく、普段で履いたらいかがなものか、そう思い、タビに出ました。
(乙幡 啓子)
そして初めての地下足袋を買う
さて地下足袋の調達である。本当は職人御用達のお店に行きたかったのだが、近場のハンズで間に合わせた。まさかハンズで地下足袋を買う日が来るとは。
普通の格好に地下足袋を合わせるわけだが、どうにも家から履いていく勇気がなく、同行者との待ち合わせ場所からタクシーを拾い、その中で履き替えた。
まだこのときの自分は、地下足袋を普通に履きこなすバイタリティもメンタリティも欠けていたのだった。
そしてタクシーは一路、六本木へ。
こういう取材のたび、私の足はどうしてもヒルズへ向かう。 「最先端スポット=六本木ヒルズ」 というステレオタイプが頭から離れないのだ。しかしやっていることはその場の空気を乱すことばかり。何か彼の地に恨みでもあるのか。