都心にいて終電を逃してしまったとき、お金をあまり持っていない学生などが取れる方法は、家まで歩いて帰ることだ。
でもそれは家が都心に近い場合にしかつかえない。たとえば終点ちかくの人にはとてもムリだろう。
なんとか終点までタダで帰る方法はないか。 しかも始発より早く。
自転車でためしてみました。
(三土たつお)
京王線で始発と勝負
今回は、東京の京王線でためしてみた。
新宿で終電を逃したあと、自転車で終点の高尾山口駅に向かい、やって来る始発電車に追い抜かれずにゴールしたい。
これができれば、どの駅に住んでいても終電は逃し放題ということになるはずだ。
新宿駅へ
まずは新宿駅の京王線ホームに向かう。
今日の最終電車は0時18分高幡不動行きらしい。いつもならあわててかけこむところだけど、今日は余裕たっぷりに終電を見送ろう。
予定よりやや遅れて、0時22分に終電が発車した。急いで、地上にとめておいた自転車に向かう。
まだ見ぬ始発が来るまえに、終点へと向かうのだ。
いよいよ出発
0時33分、新宿を出発。
ここからはもくもくと自転車をこぐのみだ。終点までの距離はおよそ40km。さしずめマラソンのランナーのようなものかもしれない。ランナーよりずっとラクだけど。
新宿駅の周辺にはまだ残っている人がいる。
彼らもやはりわざと終電を逃したクチだろうか。ともにがんばろう、とひそかにエールを送る。
甲州街道ぞいに、0時30分だというのにまだ営業しているくだもの屋さんがあった。
そういえば途中の食べ物のことを考えていなかったので、食べやすさを考えてバナナをもらっていくことにした。