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ロマンの木曜日
 
空飛ぶ団子屋になりたい
厳美渓名物・郭公団子。一体どこが空飛ぶ団子なのか?


岩手県の厳美溪に「空飛ぶ団子」というものがあると聞き、先日ふらっと見に行ってきました。

この団子、正式名称を「郭公(かっこう)団子」というのですが、箱の中身を見る限り、普通のおいしそうな三色団子。

では、一体どこが空飛ぶ団子なのか?説明するより先にまずは実物をご覧ください。

(text by 岸川 祥子



ここが厳美渓。自然が厳しく美しい渓谷。

中尊寺のある平泉から車で30分くらいのところにある厳美渓。水の流れが速く、岩場も険しいため、渓谷にありがちなライン下りなどはありません。唯一あるものと言えば…

「向かいの茶店に赤い旗が出た時はダンゴが売り切れです」という注意書き。
「代金を小さいカゴにいれて木板をたたいて下さい」と書かれたかご。

渓谷の側にあるのはこの謎の注意書きとカゴのみ。とりあえず指示どおりカゴにお金を入れ、木板をたたいてみます。

コンコン、コンコン…

すると…

あっ!お金を入れたカゴがいきなり川の向こうに!!

なんとお金を入れたカゴがロープに引っ張られ、するすると川の向こうに消えていくではありませんか!ああっ!私の大事な400円が!仕方なくその場でじっと待っていると…

あれ?再びカゴがするすると降りて来ました。

程なくしてカゴが再びロープを伝って降りてきました。ちなみにそばで写真を撮ってた方のTシャツ、背中にDANGO・SKYと書いてあるように見えたんですがBONGO・SKYでした。惜しい!

おお!カゴの中にはお団子が!

こうして無事戻ってきたカゴの中には代金と引き替えに立派なお団子とお茶が。そう。空飛ぶだんごというのはこのように渓谷にかけられたロープを伝って届けられるお団子のこと。ちなみにとってもおいしかったです。

この空飛ぶ団子、団子がロープを伝ってさーっと降りてくる様があまりにも格好良かったので、本当は何度も注文したかったのですが、直前にわんこ蕎麦を腹一杯食べていたため泣く泣く断念。しかし空飛ぶ団子熱は東京に戻ってからも収まらず、思い切ってこの空飛ぶ団子を再現してみることにしました。しかもかなり間違った形で…。

 

さて、舞台は変わってここは都内のフィールドアスレチック。休日のため、沢山の親子連れが楽しそうに遊んでいます。そんな中、ハッピを着たかなり不審な女が登場。

あっ!どこからか木板をたたく音が聞こえる!坊や、ちょっとロープを貸して!

空飛ぶ団子屋、出動!

ワンダバダバ、ワンダバダバ…

ワンダバダバ、ワンダバダバ…

勘のいい方はおわかりかと思いますが、こちらはアスレチックで空飛ぶ団子ごっこをしているうちに、いつの間にかエスカレートし、自ら空飛ぶ団子屋になってしまった31歳の女性を撮影したものです。せっかくなのでもうしばらく様子を見てみましょう。

♪地球も丸けりゃ、団子も丸い〜♪

♪空を駆け抜け、明日のために〜♪

♪届け僕らの心と団子〜 ダンゴマーン!アイラビュー♪

セリフ 「お待ちどう!団子1本130円です!」

「何をしてるの?」と言われても困るんですが…。

結局一体何がしたかったのか

すみません…。空飛ぶ団子のあまりの面白さについ舞い上がってしまいました。大人をも狂わす空飛ぶ団子の魅力、恐るべし。

というわけで厳美渓にお越しの際には是非木板をコンコンと鳴らしてみてください。ものすごい勢いで団子が空から降りてきて、かなりテンションがあがります。楽しいです。

ちなみに本家の「空飛ぶ団子」は人が自らロープで降りてきたりはしませんのであしからず。


 

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