とうとう8月になってしまった。夏だ。こんな季節に誰がした。
というのも、夏は暑い。なので外に出るのがいやになる。
そんな夏の暑さに対抗するための極めて合理的な方法を思いついたので、やってみた。
(text by 藤原 浩一)
ある思いつき
先日のある暑い日のことだ。暑い暑いとは言いつつ、このままクーラーの効いた部屋の中に篭っているのは不健康だと思って外に出た。
強い日差しの中丸腰では危険なので、近所のスーパーでガリガリさん(先輩には敬称)を買った。スーパーを出た後、手ごろなベンチがあったのでそこに座り、ガリガリさんの袋を開けて食べ始めた。
日光の下で食べる冷たいアイスは最高だ。
ところが、気温の高さや強い日差しによってガリガリさんはすぐに溶け始めたのだ。なんてこった!
溶けたガリガリさんは棒にくっつく力を失い、ズルズルと手元のほうにずれ落ちてくる。液体になった部分はポタポタと地面に垂れる。残りの半分に噛み付こうとすると、もう半分が瓦解して大変なことになりそうになる。しっかりしてくれ。
夏というのは多かれ少なかれこういう悲しみだけが広がる季節であるということを、改めて認識せざるを得ない瞬間であった。
ぼくはアイスで涼みたい、しかし、アイスは暑さで溶けてしまって、その特性を失ってゆく。この激しいジレンマをどうにかして克服できないものか。
つまりアイスみたいに冷たくて、それを使って涼んだときそれ自体は温まっても問題ないモノってないだろうか。
ある。それは冷凍食品だ。図で説明すると、こうだ。
ひんやり冷たくて気持ち良い冷凍食品を、どうしてわざわざ多くの電力エネルギーを消費してまで電子レンジで温めなければいけないのだろう。夏にモノを冷やしておく為エネルギーを使うのは良いとしても、温めるのにエネルギーを消費するのはおかしい。なぜなら周り中暑いからだ。アルプスに住んでいるのにミネラルウォーター買うくらいおかしい。
そういうわけで冷凍食品を体温で温めつつ、ほてった体は冷凍食品で冷やすという行動は、極めて合理的なのだ。
ではでは、クーラーボックスに冷凍食品を詰めて、川原に運びます。