それは、その日訪れる場所を確認しようと、地図を見ていた時だった。突然、 「尻腐れの浜」 という文字が、私の目に飛び込んで来た。
「うぬぬぬぅ。尻、尻、 ……こっちだ!」 とっさに私は、目的地をそちらに変更した。
(text by T・斎藤)
3色の橋、夕陽
尻腐れの浜は、長崎県は西海市大瀬戸町にある(地図)。
向う途中、青・白・赤の三色の橋を通る。
3つの色は、長崎はオランダとの親交が深いから、オランダの国旗にちなんで作ったのだろうと思っていたら、フランスの国旗だった。 (参考:オランダの国旗、フランスの国旗。)
また、このあたりは、夕陽がきれいなことでも知られる。 こんな感じ。
海に向って日が沈んでいのできれいなのだ。
しかしそれにしても…
尻腐れってなんだ?
だいたい、意味がわからない。 尻腐れとはどういう意味か?
なんとなく、「ものすごく臭いおなら」みたいなものを瞬間的にイメージしてしまうが、それと浜とが結び付かない。 ハッ! もしかして尻が腐ってるかと思ってしまうくらい臭い浜だったりするのか?
到着
途中道に迷ったりもしながらも、「尻」というキーワードを頼りに、ほどなくして到着。
それは、一見なんの変哲もないいわゆる普通の、美しい砂浜であった。予想したような尻が腐ってるかのごとき悪臭がするといった恐ろしさはどこにも見られない。若い男女が、楽しそうに遊んでいた。
謎、解ける (早い)
そこにあった看板を読み、謎はいきなり解けた。
「尻の腐れるまで座って眺めていたいという美しい砂浜。海水浴も楽しい。」
…というわけで、尻腐れの浜だったのだ。
ここ最近の暑さはすごい。 汗がダラダラ出てきて、名前の由来のように尻が腐れるまで座って眺めるどころではなかった。
いいえ、 汗でベトベトしただけです。
残る疑問
しかし、だ。 「尻が腐るほど美しい」 とは、表現としてはどうなんだろうか?
・尻が腐るほど美しい花。 ・あなたは尻が腐るほど美しい人ですね。
うむ。 安易に実践しない方が良さそうだ。