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土曜ワイド工場
 
暗渠ストリートを鑑賞する
どうか暗渠好きがいますように


都市部でときどき見かける不思議な小道がある。

柵や車止めで入り口がふさがれ、建物はみんなその小道に対して背を向けている。

そういう小道は暗渠(あんきょ)である可能性が高い。暗渠とは、簡単に言えば蓋をされた水路。もともと水田が広がっていたところが宅地化され、生活排水などで汚れた水路がそういう目に遭うことが多い。

表参道のおしゃれ小路、通称「キャットストリート」と呼ばれる通りも渋谷川にが蓋をされてできた暗渠だが、そういう浮かれた暗渠には興味がない。なにがキャットだよ。暗渠だろ。「アンキョストリート」だろ。

ぼくは郊外の「臭いものに蓋」をした結果出現し、道として利用もされずに居心地悪そうに存在する、そういう暗渠道にぐっとくる。暗渠に思いをめぐらすとぼくの心は千々に乱れる。

なにを言ってるのか分かりづらいと思いますが、今回はそういうアンキョストリートをめぐって鑑賞してきました。

(text by 大山 顕



■「アンキョストリート」はなんか楽しいんです

道が見えるのに柵が進入を阻む。阻まれれば阻まれるほどに歩きたくなる。

街をふらふら歩いていてアンキョストリートを見つけるとついそこを歩いてみたくなる。そして歩くととても楽しい。なんで楽しいのだろうか。

もともと川の流れのあとなので、アンキョストリートは整備された通りと筋と関係なく、ぐにゃぐにゃと走っている場合がある。だから通り抜けた先に思わぬ角度で到達することがあって、それが楽しいのかもしれない。

もともと水路だから分かれ道や筋などもなく一本道というのもグッとくるポイントかもしれない。また、道として利用されることもなくうち捨てられた筋をひっそりと歩くというのは、なにか「自分だけの秘密」みたいな感じがするというのもある。

ああ、分からない。アンキョストリートの魅力はつきない。


まるでそこに道など存在しないかのような扱い。ここに入っていって歩くのは郊外生活の楽しみの一つだ。


道の入り口にはあり得ない掲示板プレイがきらりと光る。

 

■「裏手感」を楽しむ

そして、実際歩いてみると、アンキョストリートに面した建物はみんなこちらに背を向けている。もともと道じゃないから。あからさまな「裏手」感。道なのにまわりは家の裏手ブロック塀や不法投棄されたゴミややたら成長した雑草ばかり。素晴らしい。ぐっとくる。


裏塀がずっと続く。道になるとは思わなかったのでみんな背を向けている。

舞台袖から出演者の後ろ姿を見るようなビュー。

舞道などないかのような、ザ・塀。

ザ・塀。

ザ・裏手。

まさか道になるとは思わなかったので、丸見えのつくりのお宅。見て見ぬふりをするのがアンキョストリート鑑賞家のたしなみ。

水路に突き当たっていた道。アンキョストリートになっても柵で仕切られている。この「道と認められていない感」がアンキョストリートの醍醐味。

冷静になってみるとどれもこれもそんな大きな写真で見せるような絵じゃないな。

 

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