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ロマンの木曜日
 
お盆の渋滞に巻きこまれたい

いよいよ渋滞へ

渋滞のピークは20時から21時の間。釈迦堂PAから予想される渋滞の末尾へは数分だ。
持ってきたノートパソコンで渋滞の情報をチェックし、いよいよ渋滞の表示も長くなってきたので、渋滞に向けて出発した。
時刻は19時50分だ。


渋滞を示す赤い線が長くなってきた

 

交通量が増えてきた

PAを出発してしばらくすると、交通量がどんどん増えてきた。
それにともない、車の流れも悪くなりはじめている。
走行している車のナンバープレートを見ると、東京・千葉・神奈川・埼玉の南関東から、山梨・長野・名古屋・大阪や東北など、あちこちから車が集まっていることがわかる。
いよいよ全国の渋滞マニアが名所小仏トンネルに集合しはじめたのだろうか。胸は高鳴る。


車が多くなってきた

 

ついに渋滞に巻きこまれた!

時刻が20時に近づいたころ、周囲の車の量はとても多くなり、車の流れも時速60kmほどと、高速道路としてはかなり悪くなりはじめていた。
ちょうど、中野トンネルというトンネルに入る直前、「この先渋滞」という電光掲示板の文字が見えた。
トンネル内に入ると、前を走るトラックのスピードが極端に遅くなり、渋滞にさしかかったことを示すハザードランプを点滅させた。
いよいよ渋滞の末尾だ。
ここから先渋滞、だ。
待ちに待った渋滞の始まりである。

その渋滞が始まる瞬間を、動画に収めることに成功したので、ぜひご覧頂きたい。



中野トンネルが渋滞の末尾だった

 

トンネルの先は談合坂サービスエリア

渋滞の末尾は、トンネル出口にある「談合坂サービスエリア」の入り口付近だった。
混雑しているSAに入ろうとする車の渋滞と、SAから出てきた車が本線へと合流する際にできる渋滞が複合して、中野トンネル付近で渋滞が始まるようだ。

この、談合坂サービスエリアはかなり大規模なSAで、中央道の渋滞といえば談合坂SAというくらいに、渋滞を楽しむには欠かすことのできないスポットであるらしい。
談合坂SAがあるせいでこの辺りの渋滞が長くなり、また、この辺りの渋滞が長いから談合坂SAがあるという、いわば渋滞スパイラルのシンボル的存在であるのだ、談合坂SAは。

というわけで、そんな談合坂SAに立ち寄ってみることにした。


車の振動でブレているが、左がSA入り口、右が本線東京方面

 

休憩するために並ぶ

高速道路のサービスエリアというのは、休憩して移動の疲れを癒す目的で存在するのだと思っていたが、ここ談合坂SAは、先に述べた通り渋滞のまっただ中にあるため非常に混雑しており、駐車するのに20分も待たされた。
これでは休憩する前に疲れてしまう。
だったらSAになんて寄らずにそのまま走ってしまえばいいのにと思ってしまいがちだが、それでもたくさんの人が20分も並んでまでここに立ち寄るというのには理由があるにちがいない。
それは、 渋滞と同じように、混雑していることに楽しみがあるのだろう。


ぜんぜん進まない。駐車場には空きスペースがあるのに
警備員さんも出動。そりゃ背中もチカチカ光るってもんだ

 

ビバ!混雑

やはりサービスエリア内は混雑していた。
談合坂SAはまるでどこかのショッピングモールみたいな雰囲気で、中央道沿線の地域の銘菓や特産品などが売られているほか、焼きたてのパンとか、でかいポッキーとか、とにかくいろいろ売っていた。

談合坂SA、無意味に立派でテンションが上がる
すんごい混んでる

 

サービスエリアはテーマパーク

よく考えると、なぜ高速道路でみやげ品を買うのかわからない。
おみやげとは、おもむいた先の物を買うのが本来であり、あくまでいち経由地であるはずの高速道路の売店で買うものではないのではないか。

と思ったが、渋滞の高速道路のSAは、実はそこに立ち寄ること自体が目的で、そのためにおみやげを買うのではなかろうか。

だとしたら、すべて納得が行く。
そう、SAはまさにテーマパークなのだ。
つまり、プーさんのハニーハントなのだ。
あるいは、キャプテンEOなのだ。
だから、 どんなに並んでいても立ち寄ってしまうのだ。
巨大な「のしイカ」も買いたくなってしまうのだ。
以前の記事で古賀さんが徒歩でSAに行ってしまったのも、サービスエリアがテーマパークだからに違いない。


なぜかグリコ専門店がある
こんなの買ってしまうのも渋滞'sハイのなせる技

 

おなかがすいた

時刻は午後8時半を過ぎている。
渋滞に巻きこまれることに集中していたため、食事をするのを忘れていた。

しかし、SAは大混雑で、中にあるフードコート風の所は満席で、談笑する家族連れの所に行って相席を申し出る勇気はないし、座席を案内してもらえるレストランの方は長蛇の列だ。
列に並んでいては、渋滞のピークを逃してしまいかねない。
急がなきゃ渋滞が解消してしまう。

ここはテイクアウトで済ませて、車内で食べよう。

ソースローメン、「こなーゆきー」ってな。
大たこやき。SAで売っているのは何でもなぜかでかい

 

めずらしい食べ物

SAの外に「ソースローメン」なるものが売られていた。
ローメンは何度かデイリーポータルZにも登場しており、一度食べてみたかったのだ。

おばちゃんが閉店の準備をしているところを購入し、車内に持ち込み食べたのだが、それはとてもめずらしい食べ物だった。

ふつうこういう鉄板焼き系の食べ物は、アツアツを食べるものだが、このソースローメンはアツアツではなく、むしろぬるく、人肌程度なのだ。めずらしいなあ。

しかも、どういうのだろう、味が均一ではなくて、ソースのかかっている部分とそうでない部分が混在している。
そういった点でも、食べ物としてめずらしい。

これはきっとこの店独特のこだわり(あるいは閉店間際限定のこだわり)だろうから、他のソースローメンが全てこんなにめずらしい食べ物というわけではないだろうが、それにしてもめずらしかった。

うわぁ、めずらしい…

 

渋滞の本番へ

結局、駐車するのに20分、食事に10分を費やし、渋滞が解消しないよう急いで高速道路本線へと戻った。

ここから小仏トンネルまで、再び旅がはじまるのだ。


イエス!イエス!と渋滞表示を見て喜ぶ

 

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