水分量は、乾かして調べる!
食にかんする研究機関である独立行政法人 食品総合研究所の情報広報課の方にお話をうかがうことができた。
それによると、食品成分表に掲載されている水分量は専門器具で加熱、乾燥させて調べるのだそうだ(ただし、アルコールを含むものは除く)。
水分にものが混ざっている場合も乾燥させることで溶け込んでいる水分以外の成分の量が分かる。牛乳ももちろんこの手法で調べられる。
ちなみに、水分に他の成分が溶け込むことを「懸濁(けんだく)」といっていた。業界用語ゲットだぜ。
煮詰めたらどうだろう
というわけで、キュウリの水分は専門家の方も目の当たりにするのは難しいということが分かった。何しろ乾燥して蒸発させちゃうのだ。
仕方がないので水分の目撃はあきらめ、私なりにキュウリを乾かしてみることにしたい。あのキュウリが水分をとりのぞいたらこんなに少なくなった! というのを見ておかねば96.2%は信じられない。
日干しやグリルなどいろいろ考えたすえ、鍋で煮詰めることにした。煮るというより、炒るという感覚だ。
焦がさないように一番小さな火で少しづつ水分を飛ばしていく。ここでも、ガンガン湯気が出て蒸発していく牛乳に比べてキュウリはなかなか湯気が立たない。ものすごく水分と固体が強力に結びついているのか。
そんな頑固にならないでおくれよ。
繰り返すが、キュウリは頑固だ
確かに水分以外のものが詰まってるんだなあと素直に思わされる牛乳である。ぐんぐん水気が飛び、あとにネチっとしたものが残った。食べてみると甘い(しょっぱくない)チーズのような感じ。
さて、そのころキュウリはというと、だ。
焦げた。いや、焦がしてしまったのか。
だんだん、果肉の部分がパサついていくのが分かったのだが、塊の部分はまるで水気が飛ばない。のだムキになって火にかけ続けていたらこんな状態になってしまった。
しかも、焦げていない部分はというと↓
みずみずしいのだ。
一体キュウリは何をたくらんでいるというのか。体内にそんなに水を蓄えて、あれか、ラクダか、ラクダ気取りか。
ここまでくるとキュウリには負けたよ……、という気分になってくる。もはやここまでだ。
あきらめて、鍋に残ったキュウリの重量を量ってみよう。
93%の水分が飛んだ!
なんと、100gで煮始めたキュウリは7gしか残っていなかった。93gの水分が我が家の空気中に消えたのだ。おおーーー。
ちなみに牛乳は17gが残った。83%の水分が飛んだ計算だ。
キュウリ、牛乳より水分ちゃんと多かったよ……。手探りながら最後にはなんとなくだが体感することができたのだった。
それでも何となく身もだえる
最終的にキュウリの水分の多さを体験することはできたが、それでもやっぱりノリ的には信じられない。
そして、今回さらに驚きの事実が判明したのだ。食品成分表のキュウリや牛乳以外の欄をパラパラ見ていたときである。
なめこ 生 水分96.0%
なめこ! また意外なフィールドから高水分食品が切り込んできた。そういえば人間だって半分から70%ぐらいは水分だっていうし、全体的に世界は水でできてるんだなと適当に納得するしかない状態です。しかし なめこ か……。