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ひらめきの月曜日
 
染めソーメン

青いソーメン

液体色素は粉のように溶け残ることもなく、キレイに水を染めてくれた。やたらと発色がキレイだ。


水彩絵の具を溶かしたような、青

この色にソーメンが茹だったら…と思うと、気持ちがひるむ。いろんな意味で、かなりキツイことは間違いない。

最初は発色のいい青だったが、ソーメンを茹でているうちにどんどん黒っぽくなっていった。お、この青は、見覚えがあるぞ。これは、茄子の色だ。茄子漬けの青だ。


みごとな茄子紺
意外なことに、落ち着いた色の麺が出来ました

「あれ?」という感じだった。赤の時のようなケバケバしい色になるのかとビビっていただけに、この茹で上がりは非常にありがたい。これなら抵抗なく食べられそうだ。

「茄子漬けの容器に茹でたソーメンを入れたら、きっとこんな色になるんじゃないか?」と思うと、ちょっと和風とさえ言える。この際、思い込みは大事にしていこう。

 

7色ソーメン

この調子でどんどん茹でた。赤・青・黄という無敵の3色を合わせ、いろんな色のソーメンを茹で続けた。


赤×青=紫。なんだかワインのような色になりました
赤×黄=オレンジ。こちらは紅茶のよう

一色が茹で上がるごとに「おや?」だの「あらまぁ」だの感想が口から漏れる。実際に水にさらしてみないと、どんな色になっているのか分からないのだ。

そんなこんなで、計7色(白を含む)のソーメンが揃いました。どーん。


南の国のソーメンって、こんなだろうか(あるとしたら)

…こうして今、改めて写真を見てみると、相当にケバい。「うわ」と思う。皆さんもそう思われていることだろう。

でも実際にこれを目の前にしていた時、それほど「げぇ」とは思わなかった。だってどれもこれも、自然界に似たような色の食べ物があるじゃないか。

茄子紺しかり、しば漬けだって、考えてみれば相当にビビットな色の食べ物だ。オレンジソーメンは人参だし、黄ソーメンは中華麺の色そのものだもの。

でも、もしかしたら脳が黄色信号を発して、無意識のうちに似たような色の食べ物を探してしまったのかもしれない。…ということを、今になってみて、思う。

いやぁ、相当感覚がマヒしてたんでしょうかね。


一皿に盛ってみました。マヒのなせる業

いま、すっかり覚醒した頭で写真を見ると「ノーマルな白いソーメンの、なんと清楚なことよ」と思うが、撮影した時は「ちっ、白はヤル気ねーな」とさえ思った。

そして「ああ、おいしそうだこと」と言いながら、全ての色のソーメンをたいらげた。「色が付いてると区切りがついて、なんか食べやすいね」とか言いながら。

思い込みとは恐ろしいものである。もしかして私、詐欺とか悪徳商法とかに引っ掛かりやすいんじゃないだろうか。ちょっと心配になってきました。


青ソーメン。まったく抵抗なし。
まるで、人参を食べてるみたいだよ!
とってもポップな色だね! 楽しいね!
錦糸玉子みたいだなぁ!

と、すっかりハイな気分で、それぞれの色のソーメンを食べた。味はもちろん、どれも普通のソーメンだ。

こんな状態で白いソーメンを食べたら「…白か。なんだか味気ないねぇ」という感想を漏らしたとしても仕方がないと思うのですが、どんなもんでしょうか。


…白い。つまらん。

非日常のソーメン

子どもの頃に食べたアレは、ほんの数本だったからこそ貴重だったし、ありがたかったのだ。色付き麺を大量に作った今だからこそ、自信を持ってそう言える。

「えー、またソーメン?」と言われがちなこの季節、目先を変えたいアナタ、ちょっとした非日常を味わいたいアナタには、おすすめの一品です。

ただし、思い込みの激しい方でないと食べられない可能性があります。その点に留意して、チャレンジしていただければと思います。

混ぜて食べても楽しかったなぁ

 

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