終点の駅に降り立つ
電車が品川を離れてから1時間ほどで終着駅の三崎口に到着した。
ホームには、釣りざおをかついだ男性、植物図鑑を手にした女性のグループ、海水浴の用意をした家族連れなどが続々と降り立つ。
みなそれぞれ楽しそうな顔をしている。
特に、大漁を期待してだろうか、とても大きなクーラーボックスを肩に提げ、釣り用のポケットがいっぱいついたベストを着た中年男性は、活き活きとした表情で改札口を出ようとしている。
この人はきっと、平日には都内でサラリーマンとして頑張っているのだろう。
その時もこんなすてきな笑顔で電車を降りているのだろうか、そんなことを思いながら、この男性の後に続いて改札を通りすぎた。 |