デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示
イッツコムロゴ


ひらめきの月曜日
 
歯に挟まらないネギ


ネギの他には、ニラも強敵ですよね

食事のあと、歯にネギが挟まっていることがある。

舌や頬など、口の中にある器官を総動員して何とか取ろうとするのだが、歯の隙間にガッチリと入り込んだネギは簡単には取れてくれない。

ネギの救出活動にいそしんでいる時の顔というのは恐ろしく間が抜けていて「ああ、私はいまオランウータンっぽい顔をしているな。もう止めなきゃな」とは思うのだが、気が付けばまた舌がネギを追っている。

薬味として、ネギが秀逸な素材なことは周知の事実。でも歯に挟まるのも、ゴリラ顔も許せない。

そんな問題を解決するための方法を考えてみました。

高瀬 克子



細かくすればいいのです

ネギが欠かせない食べ物に、蕎麦がある。かけ蕎麦だろうが盛り蕎麦だろうが、蕎麦には必ずと言っていいほどネギが付いてくる。

そして、このネギこそが問題なのだ。


見慣れたセットですが…
そのネギ、ちょっと待った!

薬味としてネギは欲しいが、歯に挟まってもらっては困る。この問題を一気に解決するには…、そう、すり下ろせばいいのです。なんて簡単なんでしょう。


3本を一気に下ろします

もともと「ネギの形をしている」から歯に挟まるのであって、形さえなくしてしまえば、歯に挟まることもない。

なんという発想の転換。なんという必要は発明の母。

自分のアイデアになかば酔いながら、ゴリゴリとネギをおろしてみたのですが。


どんどんネギがズレてくる
残る繊維。これが歯に挟まる悪者か!

どうにもこうにも下ろしにくい。力を入れるほどにネギはズルズルと滑り、硬い繊維の部分は「下ろされてなるものか」とばかりに必死の抵抗を見せる。

まぁ、もとから下ろして食べる野菜じゃないので仕方ないのかもしれませんが、まさかここまでネギに拒否されるとは思いませんでした。


最終的にボロボロに
それでも、なんとかこれだけ下ろせました

パッと見、ほぼ大根おろしだが、辺りには強烈なネギ臭が漂っている。おお、これぞ薬味の王。

では、さっそく麺つゆに溶かし入れてみよう。


くれぐれも大根おろしじゃありません。ネギです。
ますます大根おろしっぽい。でも、ネギです。

そこへ蕎麦を入れて…

ズルッと啜って驚いた。ワサビも大根おろしも入れていないのに、その両方を入れたようなツーンとした味がする。とてもネギだけの味とは思えない。上等な薬味を大量に入れたかのようで、ものすごくおいしい。

いつもはジョリッと歯に障るネギもなく、なのに普段以上にネギの風味を感じる。これはすごい。おろしネギ、想像以上にイイ。しかも歯に挟まる可能性はゼロときた。

 

ならば、ラーメンはどうだ

蕎麦とネギおろしの組み合わせが絶妙だったことに気を良くして、もう一品試してみることにした。


ある土曜日の昼食。ネギラーメン

実は蕎麦の時の「みじん切り」のネギよりも、ラーメンに入れる時の「タテに切ったネギ」の方が歯に挟まる確率は格段に高まる。

こんな時こそ、ネギおろしに登場してもらおう!


でも、手で下ろすのは大変だったので、
ミルサーを使用。機械はこういう時に使わないと。

機械の力で、グィングィンと力強くネギがすり潰されていく。あっというまで手も汚れない。機械って、なんて素晴らしいんだろう。


すこし緑っぽいネギおろし、完成

機械任せでラクちんだったが、なにやら荒い「おろし」になってしまった。やはりきっちりキレイな仕事をするには、苦労を惜しまず手を使った方がいいかもしれません。

味の比較をするために、まずは通常の「タテ長ネギ」をザッと食べ、あらかたネギがなくなった所に「おろしネギ」を入れることにした。


ネギがシャキシャキしておいしい。どんなに歯に挟まろうとも、やっぱりおいしい。
タテネギ完食後、ネギおろしを投入してズルッと啜ります

…強烈だった。蕎麦とは違った意味で強烈だった。

合わない。というか、ネギの味が強すぎてスープのバランスが壊れてしまったのだ。蕎麦つゆの時はあれほどマッチしたというのに、なんだ、この強烈なまでにネギくさいラーメンは。


全体によーくよーく混ぜてみた

…うん、これなら大丈夫だ。かろうじてスープは壊れてない。全体的にさっぱりとした味になった。

それにしても不思議だ。タテ長ネギを直接シャリシャリと食べていた時よりネギの存在を強く感じたということは、あれか、ネギってのは汁が重要だったのか?

ネギ汁は強烈でした

考えてみれば、ネギが歯に当たる時の「ショリ」という感触も捨てたものではない。そして、その「ショリ」の時に口の中にはネギの風味が「ふわー」と広がる。思うに、あの「ふわー」はネギ汁の風味だったのですね。

ネギを下ろすという作業は、結果として「ショリ」も「ふわー」も口から奪うことになってしまった。そして溢れっぱなしのネギ汁が、料理の味さえも変えてしまった。これはいかん。(蕎麦つゆはおいしかったですが)

薬味としてのネギには、味もさることながら食感の楽しみという大切な役割もあるのだなぁ…と、今さらながらに思った次第です。

これからはショリショリとネギを噛みしめよう。そしてネギが歯に挟まったら、爪楊枝を使うことにしよう。

納豆 VS おろしネギ。ショリショリがなくて、やっぱり少し寂しかったです(でもこれはおいしかった)

 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ

 
Ad by DailyPortalZ
 

アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation