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はっけんの水曜日
 
綱がでかい

お祭りです。

綱引きの綱でした

そう、この日は「那覇祭り」のメインイベント、大綱引きの日なのでした。

大綱引きは王国時代から伝わる伝統の行事で、途絶えていたものが復活してから今年で36回目を数える。沖縄では他にもいくつかの地域で大綱引きが行われているが、那覇のものが最大規模だろう。

港で作られた綱が運ばれてくるわけです。

このでかい綱は手作業で作られており、長さ200メートル、重さ40トン以上。1997年以来、藁で作られた最大の綱としてギネスに認定されている。さらに年々大きくなっていて、今年のやつは43トンとか言っていた。

もみくちゃになりながら綱を両側から押す。
綱は雄綱と雌綱に分かれていて、綱引きが始まる前に輪になった結合部でつなぎ合わせる。つなぎ合わされた結合部にはカヌチ棒と呼ばれる大木が突き刺される。周囲では常に爆竹が鳴り響いていた。
そしてつなぎ合わせて。
棒をぶっさす。
こんな感じ。

必死で綱に近づこうとするのだけど、人の壁に阻まれて今いる場所から一歩も動くことができない。それどころか何度か両足が地に付いていない瞬間があった。油断するとぺったんこだ。

結合部のしくみは記念Tシャツの背中のプリントがわかりやすいと思うので、写真を載せておきます。

 

やっと掴んだ手綱。だけどこの後ふっ飛ばされます。

いよいよ綱引きの始まりです

観衆は大綱から分かれた細い綱を引くわけなのだけど、これを握るだけでも一苦労なのだ。うおりゃうおりゃとこの手綱を目掛けて人が殺到するので、綱を触るのは都会のラッシュ時の電車の中で靴紐を結ぶみたいな無理さなのだ。僕も一度は綱を掴んだのだけど、油断して写真を撮っていたらいつの間にかはるかかなたへと押し飛ばされていた。

どどどどどー。

今見ると僕の手の下に怖そうな手が見えますね。
「ハーイヤ、ハーイヤ」の掛け声とともに、東西分かれて大綱を引き合う。局所的に見ると綱を引いているというよりも人が人を押して押して、その力が中心部にある綱へと伝わって少しずつ動かしているような状況。かなり深刻に危険で、僕の周りでは子供が泣き叫んでいた。
本気で号泣。
オーマイガー。

 

勝負がつくと一気に解体モードへ突入します。

勝負のあと

綱がどちらかにおおよそ2メートル動いた時点で決着がつく。今年は約15分間の死闘が続いた後、どこからともなく歓声が沸き起こり、それで決着がついたことがわかった。東軍が勝利したようだった(僕は西側にいた)。

しかし勝敗が決まったからといってほっとしてはいられない。次の瞬間、群集は刃物を持って大綱へと詰め寄るのだ。そして大綱を全力でばらしにかかる。勝負を終えた大綱は持って帰ると無病息災にご利益があるというのだ。

わしのじゃわしのじゃ。
そんなカマ、どこに隠していたのか。
ノコギリが一番便利そうでした。

みんな手にカマとかナタとかノコギリとか、結構派手な刃物を持っていた。あの押し合いへし合いの中、みんなよく無事に隠し持っていたな、と思う。

僕は刃物を持っていかなかったのだけど、隣にいたノコギリを持った外国人に切ってもらった。「サ、サンキュー」というと、「ハーイヤ!」と叫んでいた。

収穫の秋。
大人に綱を巻かれた子供はちょっと迷惑そうでした。

激しい祭りでした

でかい綱を引き合う那覇祭りの大綱引きはとにかく激しい戦いでした。間違いなくあの日の那覇は2度くらい気温が上がっていたはず。戦いが終わった後に実行委員の方がマイクで言っていました。

「飲んだら乗るな、といいますが、みなさん、今日はとにかく飲みましょう。だから絶対に車に乗らないでください。」

綱を手に興奮冷めやらぬうちに飲む酒はさぞかしうまいんだろうな、と思いました。来年はタクシーで参戦したいです。

僕がいただいたでかい綱の一部。

 

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