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はっけんの水曜日
 
ぶらり多良間島紀行
多良間島はとても良い島でした。


  もう2ヶ月前の話だが、仕事で沖縄各地をまわった。三泊四日で本島、宮古島、多良間島、また宮古島、最後に石垣島と移動したのだ。

 仕事自体は各地30分くらいで終わってしまうものだったので、正直に言って沖縄観光のついでに仕事という感じだった。

 今回は、そんな沖縄紀行の中で最も印象に残ってる多良間島での半日をレポートしたいと思います。淡々と読んでください。

(text by 松本 圭司

宮古島からJTAのプロペラ機で20分。往復\13,560。

■多良間島とは?

 多良間島は沖縄県、宮古島と石垣島の中間にある一周23km程度の小さな島だ。人口は1370人(2005年国勢調査)。行くには宮古島から出ているフェリーに乗るか、39人乗りのプロペラ機に乗るかしかない。片道20分の空旅だ。
[参考]多良間島地図

 便数が少ないので朝多良間島に飛んだら、帰りの便は夕方にならないと飛ばない。

 7月某日の朝、僕は仕事先を目指して那覇空港を飛び立ち宮古空港で乗り継ぎ、昼前に多良間空港に降り立ったのだ。

 

バスの窓に貼ってあったシール。芋がかわいい。

窓の外はサトウキビ畑と青空。

■多良間島のタクシー事情とそのソリューション

11:00 多良間空港に到着

 行く前から職場の人に聞いていたが、多良間島にはタクシーがない。

 空港に降りてタクシーが無いなんて移動はどうするのかというと、「有償運送」と書かれた乗り合いマイクロバスが空港前に来ているのでそれに乗って移動するのだ。乗った後行き先を告げれば連れて行ってくれる。

 空港を出ると乗り合いバスが止まっていた。近づくと運転手のオジサンが手招きして「乗るかー?」と聞いてきた。役場までお願いしますと告げ乗り込むと、冷房が効いていた。

 沖縄の人は妙に暑がりで冷房をかなり強めに入れている事が多い。

 オジサンは、僕とは標準語(内地なまりと言うらしい)でしゃべっていたが、島民らしきおじいさんとは沖縄の言葉でしゃべっていた。僕には完全に外国語にしか聞こえず、ああ、遠くにきたなぁと思い嬉しくなってきた。

 飛行機の乗客がみな空港から出てきたら出発。6人ほどの客を乗せてバスは出発した。僕が降りた多良間村の中心部までで400円。降りるときにお金を渡す仕組み。

 

■仕事開始、そして終了

11:40 仕事、終了

 お客さんの所に到着し、説明をして仕事に掛かって30分。やはり30分で終わってしまった。お客さんには「これだけの為に来たの?気の毒だねぇ」と同情された。帰りの飛行機は16:30にならないと飛ばない。

残り、5時間弱─────。

 僕はお客さんに挨拶をして、外に出た。外は沖縄らしい肌に刺さる日差し、ダイナミックな蝉の鳴き声、ウソみたいに青く突き抜けるように高い空が広がっていた。

さぁ、多良間島を満喫するぞ。でも、どこから?

 

島の全情報がゲット出来るありがたい案内板。唯一の情報源。

■案内板から得た情報、ルートと予定の決定

 一応、事前に多良間島について色々調べたが、どうにも情報が集まらなかった。職場の人に聞いても「ああ、なにも無いよ」という答えしか返ってこない。情報が無い。

 そして、いまいち情報は集まらないまま多良間島に来てしまった。仕方ないので役場の前にあった案内板で情報を集める事にした。

 すると、今いる場所から遠くないところに、展望台がある事が判明した。これだ。さっきから見えてた塔は展望台だったのか。とりあえず行ってみるか。

目的地が決まりました。

 

なんか、どう見ても普通の民家。
島に二つあるスーパーの一つ。もう一つは向かいの生協。
チップスターをゲット。美味い。

■まずは食料、そして出発

 と、その前にお昼ご飯を食べることにした。なにせ昼時だ。お客さんに教えてもらった道を進み、教えられた食堂を目指した。

 赤道近くの日差しがジリジリと僕を焼き、ネクタイで締められたシャツの襟が汗でどんどん濡れていく。あちぃ・・・。

 そして食堂があるはずの場所には、普通の民家があった。確かに食べ物の匂いはする。が、どう見ても民家で人もいなくて匂いはすれど食堂には見えず。

 ああ、ここなんだろうか。それともここは普通の家で、教えられた場所とは違うところに来てしまったんだろうか。

 相変わらずの炎天下。本州とは勢いもテンションも違う、蝉が豪快に鳴き続ける中、1分ほど悩んで諦めた。うん、ここは食堂じゃない。もう探すの、無理!よし、スーパーでなんか買って済ませよう。

 お客さんからスーパーの場所も教えてもらっていたのだ。そこには弁当が売っていると聞いていた。

・・・結論から言うと弁当的な物は売ってなかった。

 

 仕方ないのでチップスターを買い、外に出た。汗をかいたせいか、しょっぱい物が食べたかったのだ。水はまだ手持ちが300mlくらいあるから補給はいらないと思い、チップスターを食べながら今度こそ展望台を目指して出発しました。

 

12:05 展望台へ出発

 

■なんいきなり密林っぽい


団地みたいな建物のすぐ横が密林的。沖縄、すげぇ。

 

■歩き始めて3分後の状況

 歩き始めてすぐに景色が変わった。ゲーム的に言うと「面が変わった」という表現になるだろうか。ツタもプロレスラーの血管のように木の表面を覆っていた。なんという生命力。

 蝉といい木といいツタといい太陽といい、この土地に溢れる生命力は一体何なんだろう。そんな事をぼんやり考えながら、チップスターをパリパリと食べながら先に進みました。


人間にはあんまり会ってないけどヤギはたくさんいた。

  トタン屋根の小屋からガサゴソと妙な音が聞こえるので近づいてみたら、中にはヤギが10頭ほどいた。沖縄ではヤギを食べるのでヤギの飼育も盛んなんだろう。養山羊とでも言うんだろうか。

 

正式名称は八重山遠見台公園。遠見台か。
ツタが太いよ、ツタが。

■展望台のある公園に着きました

12:15 八重山遠見公園到着

 

 出発から10分ほど。八重山遠見台公園に着いた。そこはちょっと高い丘になっていて、その上に展望台があるのだ。

 公園に入ると、そこはもう全くもってジャングル。東京の公園では大人しく銀杏やブナが生えているところだろうが、ここの公園は全く違った。

 木は大きく枝を広げ、葉っぱは全力で伸び、そして木を支えられるほどの太いツタが何本も這い上がっていた。さっき見た木とはまた違った奔放さでジャングル的な光景が作られていた。

 木の枝まで伸びたツタは気根を垂らし、それがまたジャングルっぽさを一層醸し出していた。こんな公園が村の中心部からたった500m。

僕は階段を上り、遠見台を目指しました。

 

形が格好良い。塔って好きだな。

■あれが遠見台。さぁ登ろう

 遠見台のある丘の上は、少し開けていた。木陰が涼しくて有り難かったのだが、また強烈な光が僕に降り注いできた。

 そこには、なんだかゲームに出てくる塔の様な遠見台がズドーンと立っていた。さぁ、登るか。

 2カ所ある入り口のうち片方は閉まっていた。もう片方の留め金を外し、中に入ると2重らせんの階段が上まで続いていた。降りる階段と上る階段だろうか。さざえ堂と同じ構造だ。

 

■多良間島を一望。そうだ、海に行こう

島と海が見渡せます。風も吹いていて気持ちが良い。

パノラマ写真を作りました。クリックすると大きな写真が開きます。

 

■もう移動したくない程気持ちの良い塔の頂上

12:22 遠見台の頂上

 螺旋階段をグルグル上って展望台のテラスに出た。地表は風が吹いてなかったが、展望台の上は適度に涼しい風が抜け、非常に気持ちが良かった。見晴らしも素晴らしい。島全体が一望出来た。

 午前に降り立った空港も遠くに見えた。仕事をした村の中心部も、その近くにある小学校も見えた。そして、それら以外は緑色のサトウキビ畑だった。

 反対側にはエメラルドグリーンの海といささか彩度上げすぎの空が広がっていた。海が近かった。

 飛行機の時間まで4時間。まだまだ時間はある。ここも気持ちいいが、折角なので海に行こう。なぁに、すぐそこだ。この時はそう思った。


微妙に曲がる道で方向を見失った。

 塔を降りて、さっき海が見えた方向に進んだ。が、道に迷った。なにせ道の両側に高い草が生えていて海は簡単に見えなくなった。太陽で方向を探そうと思ったら、太陽は僕の真上にいて影が真下に出来ていた。

困った・・・。

 困っていても仕方がない。通りかかる人もいない。僕は歩き続けた。汗が止まることなく噴き出した。あつ・・・。なんとなく海っぽい方向を適当に歩いていたら急に道が開けて海に面した道路に出た。

海だ・・。呟いていた。


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