自動販売機発見
たどり着いた先にあったのは、西蔵王高原に広がる雄大な大根畑。
そして「一本百円」の文字が書かれた大きな看板。
思い出した! 今まで断片的だった記憶がすべて繋がった。
私が大根の自動販売機と覚えていたのは、筒に100円をチャリンと入れて、好きな大根を一本抜いて持って帰るシステムのことだった。そうだそうだ。
このお金を入れる筒がなんとなく自動販売機っぽいので、「大根の自動販売機」って覚えていたんだ。
謎がすべて解けてすっきりした。
オフィスグリコみたいだ。
蕎麦屋のおじさん登場
この畑の持ち主に話を聞こうと思って調べたら、さっき蕎麦を食べたお店のおじさんがオーナーだった。
ここの大根は、本当はもうちょっと寒くなってからの方が甘くなるそうだが、「今の時期でもスーパーとかに売っている大根に比べたら全然うまいよ」と自信満々だ。
大根、抜いてみよう
早速、私も大根を抜かせてもらおう。
筒に百円玉を入れて、おじさん曰く、一万本以上はあるという大根の中から、なるべく太そうなヤツを選ぶ。
葉っぱを両手で掴み、両足を踏ん張り、力を込めてグイッと引っこ抜く。
ほどよい抵抗感の後に、ズボッという爽快感。
太くて立派な大根が抜けた。
一気に5本抜いた。全部で500円だ。
大根抜き、とても面白い。もっともっと抜きたいところだけれど、いかんせん大根。そんなにたくさんは食べられないのでここでストップ。
こういう人を信頼して成り立っている販売システムがある山形の土地柄と、畑の持ち主の考え方がカッコイイなと思った。
さあ、せっかくの抜きたて大根だ。新鮮なうちに食べてみよう。