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はっけんの水曜日
 
乾き物をお湯で戻す
ぬれせんべい(柔) と せんべい(剛)


柔よく剛を制すという言葉がある。

パリパリとかたい食感を楽しむ普通のせんべいより、もっちりとやわらかい食感のぬれせんべいの方がおいしいということに由来・・・違いますか、そうですか。

ともかく最近ぼくはぬれせんべいをよく食べるのだが、「かたい」「乾いている」というイメージを持つはずのせんべいが、「やわらかい」「湿っている」そして「おいしい」というのは衝撃である。

よく考えてみると、世の中にはかたくて乾いている食べ物、所謂「乾き物」がせんべいの他にもいっぱいある。これらもぬれせんべいと同じくしっとりさせることで、新たなおいしさと出会うのではなかろうか。

というわけで、今回は乾き物にお湯をかけて戻してみました。

(text by 藤原浩一

ぬれせんべい化計画

 ぬれせんべいというのは、焼いた後すぐにしょう油につけることで独特のしっとりとした食感を出したものである。


これですな、これ

 これ、固く焼けたせんべいにお湯をかけて作るものではないのだが、インスタント麺にお湯を注ぐのと同じようにしても、似たような感じにできるのではないか?という想像はできる。まずはせんべいにお湯をかけてぬれせんべいになるのか試してみよう。

 躊躇することなくしょう油せんべいにお湯を注いでいく。


じょぼー


 すると、注いだお湯がどんどん茶色くなってゆく。せんべいに塗られたしょう油が溶け出しているのだろうか。なんだか大事なものが流出しているような気もするが、チキンラーメンにお湯を注いだこんな風になるではないか、おそれることはない。


せんべいエキスが・・・。

 お湯を注ぎ終えた後、インスタントラーメン的時間を緩慢に過ごす。お湯の色がどんどん茶色くなっている。

 数分後、箸でつっついてせんべいを確認してみる。確かに柔らかくなっている。表面だけべちゃべちゃ、ということも無さそうだ。


しなしなになりました。

 早速一口。せんべいのパリパリとした食感はなくて、多少汁っぽいがまさにこれこそがぬれせんべいと言える。味も、流出した茶色い汁をよそに、ちゃんと残っていた。本来のぬれせんべいはしょう油を染み込ませているだけあって味が濃いのが特徴だが、今回のインスタントぬれせんべいはあっさりとしている。おいしい!

 そういえば、祖母がせんべいをお茶に浸して食べていたような記憶がある。いや、祖母じゃなかったかもしれない。ともかくおばあちゃんのイデアがせんべいをお茶に浸しているのだ。あれと同じだろうか。食べやすくておいしい。

 続いて、普段はかたくてなかなか噛み切れないあいつにお湯を注いで戻してみようと思う。


 

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