まっくらけっけの不安
わかってはいても、街灯のない林道に足を踏み入れたとたん、いきなり闇に投げ出されたような心もとない気持ちになりました。
足元の見えない不安からか、手探りをするようになぜか両腕を前へ伸ばしてしまいます。夜の里山に浮かぶキョンシースタイル。他人が目撃したら、腰を抜かすかもしれません。抜かすがいい。
……という心の余裕はのちに出てきたもので、実際この時点では闇慣れたリピーターのみなさんのワッシワッシと歩く音を探るので精一杯でした。
他人の歩調に合わすことなく歩んできた我が人生、これほどまでに足並みそろえようと思ったことはありません。必死です。なにしろ命がかかっています。
いやもうほんと、真っ暗闇だよ。一寸先は闇だったよ、オカン。 |