熾烈さを増すアピール合戦
次は少しテクニカルなケース。ポスターは簡潔な方が一目見て頭に残りやすく効果的といえる。それを追求した結果、候補者の名前すら書かなくなってしまった、というパターン。公約の一部やメッセージだけを掲げているものが多い中、シンプルに「OK」とだけ書かれた看板がいたるところに見られた。看板の色からどの陣営のものかは推測できるのだが、こうしてあえて考えさせることで意識を引く作戦なのかもしれない。
対立候補をあからさまに批判するのも沖縄の選挙ならではだと思う。左の写真は対立候補の公約とキャッチフレーズを力強く批判しているステッカー。この他にも対立候補を公私にわたって批判する怪文書と呼ばれるチラシ類がばら撒かれることもある(今回もいくつか出回っていた)。
とにかくどこにでも貼りまくるポスターだが、さすがに選挙戦も終盤にさしかかると町にはスペースがなくなってくる。
そうなると相手候補のポスターをはがして、もしくはそのまま上に重ねて貼ったりしちゃう。もうモラルもへったくれもない。とにかく目立ったもの勝ちなのだ。
戦いを終えて
こうして嵐のような三日攻防を終え、選挙は投票日を迎えた。町に静けさは戻ったが、貼りまくられたポスター類はそのまま風に吹かれている。二重三重に重ね貼りされたポスターをどの陣営の責任に問おうとは思わないけれど、おそらく各市町村の清掃活動(これにはもちろん税金が使われる)を待つしかないのだろう。お祭りのような選挙戦は見ていて楽しい部分もあるけれど、大人なんだからさ、と冷めてしまうこともある。