電車は走る
電車は新大久保駅を出発した。 次に戻ってくるのはおよそ1時間後、それまで一人で電車に乗っているだけではつまらないだろう、まあ退屈しのぎにでもという思いもあって、すれ違いポイントを予測したのだが、それが意外に大変であった。 車内では携帯電話の通話ができないために、メールで連絡を取り合ったのだが、電車がすれ違い予測ポイントに近づくにつれて、とても慌ただしくなってきてしまった。 今回実験しているのは二人とも三十歳過ぎのおじさんである。そんなに携帯メールを打つのが速くない。 必死でメールを打ち、通過駅を確認し、写真を撮影していたら、あっというまにすれ違いポイントに近づいていた。
まもなくすれ違う(らしい)
お互いの通過駅報告メールから、どうやら有楽町駅と新橋駅の間で電車はすれ違うらしいことが判明した。 先ほどの予想通りだ。
僕の乗った電車は有楽町駅を出発した。 もうすぐすれ違うはずである。 列車の窓からカメラを外に向け、すれ違うお互いを撮影しようと必死でシャッターを切った。
お互いを確認できず
できればピースサインかなにかをしたすれ違いの瞬間の写真を撮影したかったのだが、いかんせん、電車は速い。無理だ。 動画での撮影も試みたが、デジカメの動画機能ではすれ違う電車のスピードに対応しきれなかった。 でも、たぶんすれ違ったのは間違いなさそうだ。 お互いの存在すら確認できないまま、電車はすれ違い、ゴール地点の新大久保へと向かっていった。
いよいよ新大久保到着
すれ違い撮影が不成功だったがっくり感に打ちひしがれている我々をかえりみることもなく、電車はずんずんと新大久保に近づいている。
池袋を過ぎ、目白を過ぎ、高田馬場を通過して、ついに電車は新大久保に到着した。
電車が停止し、扉が開いたところで、隣のホームに外回りの電車が入ってきた。
結末や、いかに
この到着した電車にLさんが乗車していたら、僕の乗った内回りの方が早いということになる。 僕はカメラを携えながら、Lさんの姿を追った。 Lさんは、この電車から降りてくるのだろうか、それとも、すでに到着してしまっているのか? その結末は、Lさんが撮影した動画に全て収められていた。 ご覧頂きたい。
内回りが早かった
今回の実験により、山手線を一周する場合、外回りより内回りの方が早く着く、という結論が得られた。 皆さんも、急いで山手線を一周しなければならない時は、内回りの方が速いということを覚えておくと便利だと思う。
ちなみに、山手線は朝内回りで始発した電車はその日一日内回りなのだそうな(当たり前だが)。 いずれ、始発から終電までずっと乗って、外回りと内回りでどのくらい差がつくか調べてみたい。 一周あたり約5秒の差だから、一日21時間運行しているから、えーと、21h×60m×………。