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ちしきの金曜日
 
とっても自信満々な看板の謎


大分県の国道を走っていた時のこと・・・
なんとも自信たっぷりというか、挑戦的というか、不親切というか、不明瞭というか、ほっとけないというか、そんな看板を発見しました。
その看板が意味するものは・・・?

(text by 上杉 天馬



とっても気になる看板

問題の看板とはこれです。


なんて気になる看板!

「来ればわかる」とだけ書かれた看板。
すげー、自信満々。
そして、すごい気になる。

この時点では何があるのかわからない、行ってみないとわからない。
行ってみることに。


この道をいった先に、何かがある・・・

一見、のどかな田舎道。
けれども、この道の先には、きっと誰もを納得させるだけのモノがあるはずです。
それは、超巨大な何かなのか、とってもキレイな何かなのか、はたまた腹がよじれるほど面白い何かなのか、それとも想像することするできないような凄いものなのか?

また看板、今度のは年季が入ってます

しばらく行くと、二つ目の看板です。

具体的なことは何も教えてくれないという点では、相変わらず不親切な看板ではあります。
が、迷わないようにとの配慮で2つ目の看板がでているとすれば、案外親切なのかもしれません。
もしくは、途中で帰っちゃうんじゃないかと心配してるのかも、看板の文言はとても自信たっぷりですが。

 

「来ればわかる」の看板を辿って・・・

道は国道から遠くはずれて、田舎道。
半信半疑の者を誘い込むかのように、新たな看板が。


大分弁まじり、ドライバーへの注意喚起まじりの看板

ブラインドカーブなので、気をつけて走れってことだと思います。
「なしか」は、大分弁の中でもメジャーな方言のようで、ラーメン店の名前や地酒の名前になったりしています。
意味は、「何で?」 とか「なぜ?」の意味。
直訳すると、「何で来ればわかる?」と変な意味に。

のんき家ってのも気になる
とにかく来いと
ここまで来たんだから来いと

延々と続く田舎道。
もう帰ろうかな(寒いし・・・)と思うと、それを見透かしたように現れる看板。
駆け引き上手な看板達です。
来ればわかると言われると、やっぱり気になります。

 

だんだん不安に

この道を行けばどうなることか危ぶむなかれ、と言っていたのはアントニオ猪木です。
その言葉を思い出そうとも、 僕はとても不安です。
ただ猪木も最後は、行けばわかるさー、と締めていました。
やはり行くべきなのでしょう。


山と畑と森しかなくなってきた・・・

段々、道が寂しくなってきました。

宮沢賢治の作品で、似た雰囲気の作品を読んだことがあります。
この後、僕は食べられてしまうのではないでしょうか。
帰り道に迷わないように、パンくずでも撒いておきましょうか。


そろそろ帰りますよ
これで最後ですからね
ホントにホントに帰りますよ

ここまでで現れた看板は9個。
来ればわかる、の一点突破。
僕も、もう大人です。
そんな言葉だけで釣られて行くと思ったら、大間違いだ!と言って、来た道を帰りたい・・・
ところなのですが、やっぱり気になるので行ってみます。
ここまで来たことだし。

ただここまで引っ張って大丈夫?苦しいことにならない?という別の不安はあったりします。


10個目の看板が導く先は・・・→
山道

山道になってきました。
こうなると、この先で山猫が舌なめずりをして待っている、という可能性もありえるかもしれません。

 

そしてとうとう最後の看板

12個目の看板がどうやら最後のようです。


他の2方向は明確に書いているのに、左側はくればわかるとだけ
やっと最後の看板か

「←ココ」と書かれた場所こそが、看板が連れてきたかった場所です。
さぁ何があるのか?
何がわかったのか?

創研・来ればわかる・・・ってことは

どうやら「来ればわかる」というのは、創研(会社?)の名前だったのです。
今まで見てきた看板は、会社の名前が書いてあっただけなんです。
なぁーんだ、それなら納得。

 

創研来ればわかるってどんな会社?

いや、やっぱり納得できません。
謎は解けたけど、新たな謎が発生です。
来ればわかるとはどんな会社?
なぜこんな名前、等々。


この車についていっちゃう人も居るんではないでしょうか

誰かに話しを聞こうかと思ったのですが、この日事務所らしき場所にも、近くにも誰も居ません。
庭造りの会社であるということだけが、わかったことです。

 

後日、電話取材しました

後日、電話取材させて頂きました。
対応していただいたのは、社長の高橋幸裕さんです。

まず、「創研」と「来ればわかる」は、別々の会社の名前だそうです。
創研とは、創意工夫研究所の略だそうです。
総合研究所の「総研」ではなく、創研です。
創研の方では、既に20件以上の特許を取得されているそうです。
例えば、どんな段差、どんな傾斜でも倒れることがないはしご、「斜段無転倒はしご」などがあるそうです。
(発明品の写真がなくて本当にゴメンなさい!)
世界が驚くような発明のアイデアがあるそうなのですが、それを理解してくれる人が居なくて、商品化ができないと嘆いておられました。
企画書や設計書はあまり役に立たず、結局は実物を見てもらうしかなく、そのための準備をしている最中だそうです。


鑑賞位置も指定するほどのこだわり
鑑賞位置からの庭

庭造りに関しては、かなりこだわりがあるらしく、「来ればわかる」という名前もその自信の表れだとか。
人目を引くため、人に覚えてもらう為とはいえ、自信がなければあんな名前はつけられないとのこと。
仰るとおりです。

高橋さんは4才ではさみを握り、7才のときには木を切っていたそうです。
庭造りの技術も全て独自に学んだものだそうです。
技術に絶対の自信がある、それは見にきてくれればわかる、という思いを社名に込めたそうです。

なるほど、これで全てわかりました。

会社データ
総研・来ればわかる(事務所)
住所:大分県豊後大野市三重町小阪4015-13
пF0974-22-5182


 

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