デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示


ひらめきの月曜日
 
しょうゆをふりかけにできないだろうか
ダイレクトに醤油の味がするふりかけを!

ややうしろめたい気持ちながら、調味料の味そのものが好きという方は多いと思う。

ウェブマスター林さんによる しょうゆかけごはんと正面から向き合う記事「しょうゆかけごはんを見直す」、「しょうゆかけごはんアンケートから」では、その「ちょっとうしろめたい」感じが多くの方々から寄せられていて、それすらも美味しさのポイントになっているように思えた。

私もしょうゆが大好きで、ごはんにかけるのがこっそり好きだった。そして、いつかしょうゆがふりかけにならないだろうかと願っていた。

(text by 古賀 及子



なぜふりかけにしたいのか

ごはんにしょうゆをかければ、それだけですぐに「しょうゆかけごはん」になる。こっそり(堂々とできるときは堂々と)かけるだけで良いのだ。

では、なぜ今回「ふりかけ」にしようというのか。

それはまんべんなくしょうゆをご飯にかけたいから、だ。

しょうゆをご飯にかけたことのある方なら分かってくださると思うのだが、液体であるしょうゆをご飯に回しかけると、どうしてもある部分にしょうゆがじゅーっとしみこんでしまう。

それを回避するため、まんべんなくしょうゆをかけようとすれば、当然しょっぱくなりすぎてしまう。


まんべんなくかけようとしてかけすぎた図

実際は、ほんのちょっとの量をかけて、後でざっくり混ぜれば問題なく全体に味はまわる。だが、どうしても最初にまんべんなくかけたいという気持ちが以前からあった。

私は全般的におおざっぱに生きており、ぶっちゃけ、卵のゆで加減など半熟だって固ゆでだってどっちだっていいのだが、しょうゆを、ごはんにまんべんなくかふりかけることにはなぜだかこだわりがあった。しょうゆふりかけは悲願だったのだ。

あ! いま「同感!」と思った方、結構いたんじゃないですか。わいわい。

液体を固体にして粉砕

ものすごくスキマな願望かもしれないが、もういい、説明さえすればあとは進めてしまうだけだ。今日は頑として しょうゆのふりかけを作るぞ。どんとこい。

さて、いかにして しょうゆをふりかけにするか。

以前ふりかけ工場を見学したことがある。原材料を粉砕し、味付けした後とにかく乾かしていた。しょうゆは粉砕する必要はないが、何しろ乾かさねばならない。

順序は逆だが、煮詰めて固形にしたしょうゆを、粉砕する、これでどうだろう。


見学した三島食品さんの「ゆかり」
こんな風に醤油をふりかけにしたいものだ

しょうゆは たまりしょうゆを使う

ふりかけにする醤油は、たまりしょうゆを使うことにした。いろいろとある醤油の種類のなかでも一番濃いやつだ。

食品成分表で調べたところ、たまりしょうゆは 他のしょうゆに比べて水分が少ない。それだけ、ぱさぱさぱらぱらの ふりかけに近いのではと思ったのだ。

たまりしょうゆの水分は57.3%。うすくちしょうゆが69.7%だから、単純に考えても12.4%分もふりかけに近いしょうゆといえよう。


使い方もことごとく何かに「かける」ことを推奨している

強引に水分をとばす

固形にするにあたっては、テフロン加工のフライパンで焦がさないように水分を飛ばしていくことにした。

フライパンにしょうゆを投入するなりあのしょっぱいいい匂いがする。しょうゆの歌というのがあったら高らかに歌い上げたい瞬間だ! 残念ながらそういった歌を知らなかったので、適当に鼻歌を歌った。


じゅわっと投入 べたべたしてきたぞ 一瞬じゅっといって、すっかり乾いた

まとめたら、なにやら漢方薬の材料のような趣に

……どうなんだろう、大丈夫だろうかこれ。という見た目の恐ろしい物ができあがってしまった。目をつぶりつつ、粉砕作業に入る。

私の家にはなぜか実家にも自宅にも「ミルサー」というのがある。よくテレビショッピングなんかで売ってるやつだ。煮干やなんかを粉々にしてふりかけにすることができる。

そうそう毎日使うようなアレではなくほとんど宝の持ち腐れになっていた、これを使おう。


ミルサーで挽いていく。こんなに楽しいことをしているのに無関心な弟よ すぐに、空中に舞いそうなほど粉々になった!

もうできちゃいましたの?

あっけなくできてしまった。かなり拍子抜けなほどに簡単だが、どうだろう、ちゃんと醤油の味がぎゅっとつまったふりかけになっているだろうか。

しょうゆふりかけ、プロトタイプの味とは。


一見なにかの薬のようだ かけた途端にとけた。そしてやはり薬っぽい

食べた

あっ!



苦い!

ものすごく苦かった。やはり途中で焦げてしまったのか。実は私は今ものすごい鼻炎に悩まされている。しょうゆはもともと色が茶色い上においに鈍感になっているため、こげているのかいないのかよく分からなかったのだ。

その後、なんどかじっくり火にかけたり、電子レンジにかけたり、ドライヤーで乾かしたりしてみたのだが、どうにもべたべたするばかりでミルサーにかけられるような状態にならない。

……こまった。

しょうゆの駄菓子みたいなものを作る

どうしようと考えていて、思いついたのは「蒲焼さん太郎」や「酢だこさん太郎」など、伸したすり身に旨みのタレをしみこませた駄菓子たちだった。あの、調味料を食べている感覚を応用できないだろうか。

そうだよ、何かにしょうゆの味をしみこませて、それをミルサーにかければどうだろう。


平たいすり身は用意できなかったので、全粒粉でシートを作った

これに しょうゆを染み込ませて粉々にしよう!


  つぎへ>
 

▲トップに戻るバックナンバーいちらんへ

 
Ad by DailyPortalZ
 

アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation