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フェティッシュの火曜日
 
上毛電鉄のクリスマスが大変なことになっていた


クリスマスシーズンも佳境を迎えようとしておりますが、そんなある日のこと。とあるサイトの鉄道情報を何となく見ていたら、故郷の鉄道の情報が載っていた。見てみたところ、クリスマスシーズンはある鉄道の電車が大変なことになっているらしい。

一足早い帰省もかねて、いったい件のサイトで見たあの光景はなんだったのか、確認してきました。

乙幡 啓子

まず見てもらおう

はい、数行の説明を書き連ねる前に、とにかく見てもらいたい。こんなことになっていたのだった。


鈴なりのサンタ・ときどきアンパンマン他。 (写真提供:齋藤正紘氏)

これは、群馬県前橋市と桐生市の間、25.4kmを約50分で結ぶ私鉄、上毛電気鉄道の電車内だ。11月13日から12月25日までの毎日、1日7〜8往復「クリスマストレイン」と題して、2両編成にありったけの装飾をほどこした電車が走るのである。

中央前橋駅から乗り込んで西桐生駅までの間、あらためて見てみよう。


これが上毛電鉄(略して上電)の車体だ。どこかで見たような・・・それは後述。
なにやら不穏な空気が外からもうっすら見て取れる。
後面にはファンシーなプレート。
前面にはクール目なプレート。
そして内部。どっひゃー。

 

自分ちのような装飾熱

このクリスマス仕様の電車は、朝から晩までまんべんなく編成されている。なので、ラッシュの時間帯にこの電車がスーッと入ってきたりするわけだ。車内がにぎやかならいいが、都心のラッシュ時のように皆無言、の状態だったらどんな様子だろうか。見てみたい。

しかし、もし事情を知らない人がいきなり乗り込んできたらさぞやあっけにとられることだろう。それほどに、あまり類を見ない装飾加減だと思う。


だって乗客の頭に付きそうなくらいぶらさがってるし。
整理券箱の上にはでかい靴下が。こっちが何か入れたくなるではないか。
サンタだけでなくハム太郎や、
著名なネズミ、ネコもぶら下がる。

企画のご担当である、上毛電気鉄道取締役の柴野氏によれば、2両で100個近いぬいぐるみやオーナメントがぶら下がっているそうだ。こんなに子供の好きそうなぬいぐるみがあると、とられたりしませんか?との問いに、

「ええ、やっぱりとられたりしますね。でもまあ、喜んでいただいてるということで、大目にみています」と、ありがたいお答えが帰ってきた。

でも毎年、どんな装飾にするかは社内皆でわいわいと決め、ぬいぐるみもキャンペーン直前に社員の方が直接街で買ってくるとのことなので、皆さん、とらないであげてください。


ほら、とられたと見られる跡に残ったテグス。
乗客の入っていけないエリアにもサンタが丁寧にぶら下がっている。

黙って乗る大人。すでにこの装飾も日常の一環だ。

あらためて下から見上げる。幻のようにも思えてきた。

自分がこの路線を使って高校に通っていたころは全くこのような気配はなかった。それが、帰省のたびに「おや?」と思い始めたのは数年前だ。何か、ドア際に一輪挿しが下がっている。風情あるなぁと思っていると、次に帰省してきたときは天井中に何かぶら下がっている。

6年前からこのような装飾を始められたそうで、近隣の方々からの受けもよく、「だんだん飾りに弾みがついて」今年はとうとうこのような賑わいとなったらしい。

クリスマスのほか、いろいろすごいことになってる上電の四季。次ページで一緒にご覧ください。


 

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