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ひらめきの月曜日
 
ドーナツ大戦争勃発!? (新興V.S.老舗、ドーナツ食べ比べ) 

クリスピー・クリーム・ドーナツとともに、ドーナツ界の新興勢力となっている「ドーナッツプラント」


先週の記事で話題のドーナツ屋「クリスピー・クリーム・ドーナツ」に行ってきた。雨の中ドーナツのために行列に並ぶ人々にもびっくりしたが、周囲の人から味はどうだったか、など様々なことを聞かれ、ドーナツに注目が集まっているのだ、と実感した。

話題のドーナツ屋はクリスピークリームドーナツだけではない。2004年に東京・白金台にオープンし、クリスピー〜より少し高級感のあるドーナッツプラントなどがじわじわとその勢力を広げてきている。2007年はこれらドーナツ界の新興グループによる空前のドーナツブームになるかもしれない。

もちろん老舗のミスタードーナツも相変わらず人々に愛されている。

これはひょっとして新興&老舗チェーンのドーナツ抗争勃発の前兆かもしれない。さまざまなドーナツを食べ比べてみようかと思う。

(text by 梅田カズヒコ



ドーナツ屋とコーヒー屋の勉強をしましょう

クリスピー・クリーム・ドーナツとともにドーナツの新興勢力の一角を成す「ドーナッツプラント」についてはNarinari.comさんのオープン時のレポートが詳しい。

ちょっと10年ぐらい昔のことを考えてほしい。日本におけるコーヒーショップのチェーン店と言えば「ドトール」か「珈琲館」、そして多くの個人経営の喫茶店しかなかった。無風状態だった。

そこへアメリカから送られてきた刺客「スターバックス」がやってきてコーヒーショップの概念をがらっと変えてしまった。その後同様にアメリカから「タリーズコーヒー」、「シアトルズベストコーヒー」などが続々と日本に進出してきた。

日本企業も黙っては居ない。日本における最大派閥だったドトールコーヒーはスターバックスと雰囲気が酷似した「エクセルシオールカフェ」を展開。「カフェドクリエ」やチョコクロワッサンを売りにした「サンマルク」の急成長も見逃せない。それまで目立たない存在だったシャノアールグループも「カフェ・ベローチェ」をジワジワと拡大させ、まさにコーヒーショップ戦国時代だ、と言われている。いや、僕が勝手に言っている。

この10年間のコーヒーショップ戦国時代の主役となっている新興勢力のスターバックスと老舗のドトールの争いと同じような現象がドーナツ界でも起こるのではないかと考えている。つまり、老舗のミスタードーナツV.S.新興のクリスピークリーム,ドーナッツプラントの覇権争いが起こるのでは。これを「ドーナツ大戦争の予兆」と専門家の間で言われている。いや、僕が勝手に言っている。

こういう話になると熱くなってついつい文が長くなってしまうが、とにかく今日は注目のドーナツをいくつか食べ比べてみようと思います!

 

と言うわけで今日の日本におけるドーナツを新興か老舗か、高級か庶民派か、の観点で大きく4つに分けて、それぞれのドーナツを食べ比べてみようと思う。
図解するとこんな感じだ。


ドーナツだけに輪で囲んでみました。(あとづけ)

 

 

1.ドーナッツプラント(新興勢力、高級)

新宿駅構内のテイクアウト専門のドーナッツプラントに行ってきました。写真は店内の表示板。ナチュラル素材使用、化学調味料不使用。「ロハスっすよねー」という表現も着古した感のある2007年、みんなはいかがお過ごし?


テイクアウト用の紙袋。シンプルな白い包装紙に黒で統一されたプリント。ちゃっかりURLも書いておくところがしたたかな現代っ子。
食べ比べのために一番ベタなメニュー(キャラメル、320円)を購入。これ、かなり分厚いし、でかいです。

確かな食感に込められたドーナツの新時代の申し子

今回の5品のなかでもっとも高いドーナツ。ひとくちぱくりと食べると、まずその確かな食感が口に残った。『ふにゃふにゃのドーナツとは意思が違うんだ。こちとらアメリカはニューヨークからわざわざドーナツ売りに来てるんだ。ただじゃ帰さんぞ』と思っているかどうかはわからないが、とにかく意思の固さはドーナツの食感につながる。量は多いが胃にもたれない。さすが高級ドーナツ。うまい。そりゃうまいですよ。320円もするドーナツがまずくちゃいけない。 包み紙についたシロップをぺろぺろしたりしないのが大人のたしなみ。でも一人で家で食べるときはぺろぺろします。

友人が
「何か仕事でへまをしたとき、このドーナツをいくつか買って謝りに行けばたいていは許してくれる」と話していた。なるほど、そういう利用法があるのか。
いろんな意味で大人のドーナツだ。


ドーナツ博士のポイント

取引先に何か悪いことをしたらドーナッツプラントのドーナツを買って謝りに行こう

 

 

2.紀ノ国屋(KINOKUNIYA)のドーナツ(老舗、高級)

ドーナツと言えば庶民食の代表格だと思うが、高級なドーナツは昔からあった。紀ノ国屋のドーナツだ。もともとは高級スーパーだが、デパ地下に多数出店している。いわゆるデパ地下グルメ。デパ地下代表のドーナツ。レペゼン・デパ地下。


包装。安心するような袋入り。透明な袋についた解けかけの砂糖。『僕が子どもだったらさぞかし興奮していただろう』と書こうと思ったが、今もじゅうぶん興奮している。砂糖万歳!
表面はくぼみがあって、ここがまた見た目のおいしさを

素朴な味付けとざらざらの砂糖の食感。これは反則だ!

シンプルな味付けの中に上品さが垣間見れる。外側のかりっとした部分+口の中に入れた瞬間にとろける砂糖、そして中のもちっとした食感が心地いい。こんなの反則だ、イエローカードだ! ってぐらいデフォルトでうまいです。平和な午後に食べたいドーナツ。お持ち帰り専門なので少し割安にはなるがこれで95円は安いな。手があまりべとつかないのもベスト。パソコンで仕事中にでも気軽に食べられます。

ところで、カナダにはこんなことわざがあります。
 〜嫁姑のケンカの仲直りは昼下がりのドーナツから

難しい嫁姑問題も昼下がりに甘いドーナツを食べる習慣をつければうまくいくのでは、ということわざです。嫁と姑の問題は万国共通なんですね。

そんなことわざないんですが。

ただ、家族円満のためには、こういった素朴なドーナツがいいのでは、と思ったのであります。


ドーナツ博士のポイント

いつまでも家族円満に過ごしたいなら仕事の愚痴を持って帰るより紀ノ国屋のドーナツを買って帰ろう。

 

 

3.クリスピー・クリーム・ドーナツ(新興、庶民派)

詳細は先週の記事にも書きましたが、今、一番話題になっているドーナツ。でも170円と価格は庶民派だ。


テイクアウトの紙袋。いかにもアメリカのキャンパスライフに似合いそうな雰囲気。日本でCMを放映するとしたらタレントはトミー・フェブラリーあたりが似合いそう。
先日はできたてほかほかでしたが、時間が経つとこんな感じになります。

ドーナツ界の新星はやみつきになる濃い味付け

先日はできたてのドーナツを食べてすごくおいしかったが、時間が経ったものを食べるとまた違った味わいがある。この濃い味付けがたまりません。コーヒーが進みます。

ところで、スペインにはこんなパーティジョークがあります。

=====
男は友人に買い物を頼まれ市場にでかけた。10ユーロを持って麻の織物を買うはずが甘いものに目がない彼はそのお金で全部ドーナツを買った。ドーナツを食べながらも帰路で悪く思った男はせめて友人にあまったドーナツをあげることで許してもらおうと思った。自分の村に戻った男に友人は怒りながら言った。「おい、俺のお金がいつの間にドーナツになっちまったんだ」。すごい剣幕の友人に困った男は砂糖がついた唇を動かしこう言った。「これがほんとのドーナツ化現象だ」
=====

いやー、どこの国にもだめな人は居るものですね。今、僕が作っただけなんですが。

ただ、いくらやみつきになるとは言え、友情を裏切ってはいけません、と言いたかっただけです。クリスピー・クリーム・ドーナツは友情、そして青春の味がします。


ドーナツ博士のポイント

友情を育てるも裏切るもドーナツ次第。いつもお世話になっているあいつにクリスピー・クリーム・ドーナツを買って帰ろう。


(※ちなみに、ドーナツ化現象の本来の意味は、都市化が進む中で郊外に住宅が集まり中心部が空洞化することを意味します)

 

 

4.ミスタードーナツ(老舗、庶民派)

最後は日本人の心のドーナツ。コーヒー、カフェオレおかわり自由がとても魅力的なミスタードーナツを食べ比べ。


青空の河川敷を歩く親子の空には大きなドーナツ。不条理なイラストなんだけど許せてしまうのはミスドの貫禄か?
ミスタードーナツのもっともベタなメニューといえばやはりハニーディップ(94円)でしょうか。

ドーナツの優しい雰囲気に本心がポロリ

日本人の心のドーナツといえば、やっぱりミスド。一番シンプルなハニーディップ94円を購入。ほかのドーナツと比べて思ったのは、生地がパンっぽいというか、もこもこした食感だ。
そして食べ比べる前は気づかなかったのだが、他の高級ドーナツに負けないように素材の差を味付けでうまくカバーしているな、と感じた。ドーナツ一個でおなかいっぱいになるります。

ところで、イギリスの古い映画ににこんなシーンがあります。

=====
ドーナツショップで別れ話しをするダグラスとレイラ。理由はレイラの浮気だった。ドーナツは所在なくテーブルの上に無造作にあり、コーヒーはすっかり冷め切っていた。

ダグラス「レイラ、僕は君を確かに愛していた。だけど今、僕の心にはぽっかり穴が空いているよ、そう、ちょうどこのドーナツのようにね」

レイラ「……。ごめんなさい。でも、私、あなたと別れたくない。お願い、許して」

ダグラスにも負い目があった。レイラが浮気をしたのは、仕事ばかりを気にして恋人をかえりみなかった自分のせいでもあると。それにレイラは少し精神的に弱いところがあった。恋人思いのダグラスは、今、自分が彼女に別れを告げればきっと取り乱すであろうことを知っていた。沈黙が流れたあと、ダグラスは口を開いた

ダグラス「分かった。もう帰ろう。ここのドーナツより付き合い始めたころに君が作ってくれたドーナツのほうがおいしかった。また、あのドーナツを食べたいよ」

レイラ「ダグラス! 帰る前にちょっと待って!」

ダグラス「なんだい?」

レイラ「先週の木曜日、リッチモンドの商店街で女性と腕を組んで歩いているのを見ちゃったわ。あれ、どういうことなのか説明してよ」

ダグラスの回想シーン。実はイースター復活祭で知り合った女性と寝ていたのだ。

ダグラス「レイラ。きっとその話しは長くなるね。ドーナツとコーヒーをもうワンセットづつ買ってくるよ、すまない、ちょっと待ってくれ」

ドーナツカウンターに戻るダグラス。

=====

いやー、映画って本当にいいもんですねー。このように、古い映画ではたびたびドーナツ屋の別れ話という設定がたびたび登場します。うそですが。

ただ、恋人と冷静な話し合いを行うときには、ミスタードーナツみたいな、日常性の宿るお店で行うのが良いのではないか、と思ったわけです。くどくてすみません。


ドーナツ博士のポイント

保険のセールスレディや恋人と。冷静に話しをしたい場合はミスタードーナツを食べながら行おう。

甘いドーナツばかりで疲れたのでミスドで飲茶を頼んだ。うまい。

まとめ

当たり前のことを書く。ドーナツはうまい。シンプルだからまずくなりようがないのだ。

だから味のことは二の次に置いておく。だがしかし、シチュエーションにぴったりはまるドーナツは存在すると思う。かなり無駄なことを本文に書いた気がするが、要点をまとめると

ドーナッツプラント→取引先に持っていくためのドーナツ
紀ノ国屋のドーナツ→家族の楽しい時間に食べたいドーナツ
クリスピークリームドーナツ→友人や仲間とわいわい言いながら食べたいドーナツ
ミスタードーナツ→日常性あふれるドーナツ

ということだ。かなり回り道になった気もするが、僕なりの回答は得られたので良かったです。


 
 
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