●第2ラウンド、劣勢か
先の勝負ではハートの懐に飛び込んでいくようなスタンスで臨んでみたが、今度は逆のアプローチをしてみたい。どうでもいいところにハートマークを散りばめてみるのだ。
準備したのはノーマルタイプのハートシール。どういう使いみちがあるのか、自分にはどうもよくわからないのだが、文房具屋に行くとよく見かけるものだと思う。
若い女の子たちは手帳にこんなシールを貼ったりするのだろうか。あるいは素敵な彼へのプレゼントの包装紙をこんなシールで留めたりするのだろうか。
ぎぎぎぎぎ…。
そういう既成概念を覆したい。あり得ないところに貼り付けて、そのファンシーを無にしたい。
どうだ!
…そう意気込んで貼ってみたのだが、心に去来するのは「もしかしたらかわいい?」という思い。本来地味なザーサイやきな粉だが、明らかに影響を受けている。
これはまずい、戦術を誤ったか。もっと危険な感じで攻めてみるべきか。
塩素系洗剤の「まぜるな危険」表示に散りばめてみた。普通はかなりの警告性を感じるのに、かなりマイルドになってしまっている。
おそるべしハートマークの影響力。劣勢だ。
続いてはワカメに貼ってみたのだが、まずいことに気がついた。いろいろ試す中で、ハートシールをかわいく貼るのがうまくなってきているのだ。
こんなはずでは…。
何かが逆転しようとしている。なんとかしてこの流れを食い止めなくては。
劣勢の打開策として投入したのがこれだ。
紙製のハートボックス。自分でそう書いておいて「何がハートボックスか!」と、内心ではかなりすさむ。あれか、女の子が手づくりチョコをドキドキしながら彼に渡すときに使ったりするあれか!
へえ〜、これがねえ!
経験を通して知っているのではなく、知識としてそう聞いている。そういうファンタジーがこの世の中にはあるらしいのだ。
想定外のものを中に入れて、みんなの夢を壊したい。
投入したのはギンナン。これでどうだ!
プレゼント性としても解釈しがたい感じがよく出たと思う。写真ではお伝えできないが、箱を開けるとギンナン独特のにおいがプーンと漂ってくるのもよい。
劣勢を立て直すことができただろうか。ここは攻撃の手を緩めず、一気にとどめを刺したい。