どうしようもない

野菜ジュースを使ったカレーはあくまで「カレー」の匂いであったのに対し、リンゴジュースを使ったカレーは少し様子が違った。いや、少しどころではない。大幅に違う。

とにかくリンゴの匂いが消えないのだ。青汁でさえ屈服させたカレールウが、リンゴに負けている！

基本的にはカレーの匂いだが、それを凌駕するほどリンゴの匂いが強烈だ。カレーとしてありえない。出来ることなら食べたくない。でも、作ったからには食べなければ。

…食べました。そして吐き出しました。とてもじゃないけど食べられません。すみません、リンゴにここまでパワーがあるとは思ってもいませんでした。

いそれにしても驚いた。ここまでマズイものを作った記憶がない。あのＣＭソングは一体なんだったんだ。やはり「隠し味程度に入れてこそ」ということなのか。

とにかく、リンゴジュースのみでカレーを作ってはいけない、ということは分かった。これだけはマネしちゃいけません。大怪我をします。

懲りずに第２弾

「果汁が多く使われたジュースだから失敗したのかもしれない」と考える私は、楽観的なのか馬鹿なのか。とにかく、このままでは終われない。

そこで、次はマンゴー入りのヨーグルトドリンクを使ってみることにした。両方ともカレーに入れる隠し味として定番だし、匂いもリンゴほど強くない。

おお、きちんとカレーの匂いがする。そして、マンゴーの甘い匂いも控えめに（ここ重要）する。

今回はさほど勇気を要せず食べることができた。…ああ、こういう系統のカレーってあるな、という味であった。全体的に、とても優しい。

これは通常のカレー作りにおいて、まさに隠し味として投入したなら、とてもおいしいカレーが出来ると思う。うむ、ひとつ勉強になった。

ジュースではありませんが

なかには「うちにはジュースの買い置きなんてないよ。あるのは牛乳か豆乳だけだよ」という方もいらっしゃることでしょう。はい、わかりました。豆乳カレーですね？　作りましょう、作りましょう。作らせてください。

カレーに牛乳を入れて、まろやかさを出すことがある。ならば豆乳でカレーを作ったって、さほどおかしな物は出来ないんじゃないだろうか？

そんな目論見で作った豆乳カレーだが、まさに狙い通りであった。とてつもなく優しく、まろやかな味がする。

今回使用したカレールウはレベル５の辛口だったのだが、不思議なくらい辛みがどこかへ行ってしまった。「あれ？」ってなくらいに辛くない。

家に辛いカレーが苦手な人がいる場合、別鍋で豆乳を混ぜてから出すと喜ばれるような気がします。