ふつうの路地だった
うん、ふつうの道だ。学校帰りに友達と遊んだよくしってる道だよ。
住宅地に滑走路が通ってるわけなんてないんだよ、と思いながら、それでもやっぱりこの道がまっすぐ多摩川まで続いているなら、終点まで行ってみたい。そう思った。
由来をさぐろう
しばらく行ったところに、杉並区郷土博物館の案内があった。この道がなんなのか、ちょっと調べてみることにした。
中に入り、学芸員の方に尋ねてみた。
明治のはじめ、近代水道の始まりのときに、多摩川から杉並のあたりまで地下に水道管を通したのが由来らしい。
・そのころは原野だったのでまっすぐひけた。 ・せっかくだからその上を道路にした。
ということのようだ。それ以来、この道は基本的にはだれにもじゃまされずのびのびとまっすぐ延びているのだ。
後はダイジェストで
そこから約10kmの道を多摩川まで向かった。基本的に風景は今までの感じと変わらないので、道のりの写真を少しだけ。
そして終点
まっすぐ伸びているという以外、それほど劇的でもない道のりを多摩川までやってきた。
最初に想像していたような特別な道ではなかった。ああ、こういう路地あるよね、と思いながら、ずっと自転車を漕ぎ進めていた。
まっすぐな、ふつうの道
そしてたどりついた多摩川。いつもより感慨深くみえるかな、と思ったけど、そうでもなかった。土手には工事現場が雑然と広がり、人々はいつもどおり散歩をしていた。
帰り道、もときた道を途中まで引き返してみた。もしかしたら逆から見た風景はちょっと違うかもと思ったからだ。でも見えたのはいつもの住宅街だった。
まっすぐな道があり、ぼくはそれを地図で見つけて、そしてやってきた。そういう日もあるかなあ、と思った。