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フェティッシュの火曜日
 
ピカピカすぎて公道を走れない車〜ものづくり展から〜
ほぼ鏡です


上野の国立科学博物館で新潟県燕市の磨き職人が磨いた車を展示中である。iPodの裏側を磨いた技術(あれは日本の技術だったんですね)と同じ技術で自動車を鏡面仕上げしたというのだ。

つまり、iPodみたいにぴっかぴかの車があるのだ。

ぴかぴかの車は常設展示ではなく、2月18日まで開催中の「ものづくり展」の一環である。

どうかした方向に高い技術と労力を注いだこの作品、見に行かないとまずかろう。(林 雄司



赤いマットのうつりこみに注目してください
「磨けるものはなんでも磨いてしまいます」  !!

光りすぎて公道を走れない

塗装をはがして鏡面加工したこの車、新車だそうだ。言われてみると確かにシートにビニールがかかっている。しかも

「ピカピカすぎて公道は走れないんです」

とのこと。新車を走れなくしてしまって理屈で考えれば得することはなにもないのだが、ピカピカにしたいという衝動はよく分かる。ピカピカは理屈をこえる。しかも担当した研磨職人の集団「磨き屋シンジケート」は正月休み返上でこの作業を行ったそうだ。

磨き屋シンジケートのホームページを見ると、すべての写真がピカピカしている(磨き屋シンジケートホームページ)。

公道は走れないけどピカピカのこの車はこのあとどうするのだろう

「終わったらどこかに贈呈してしまおうかなと思ってるんです」

だそうだ。ピカピカの車に興奮して紹介が遅れたが今回はMONODZUKURI展を主催した経済産業省の宮部さんに案内してもらっています。


エレベーターに乗る掃除ロボ
イカ釣りロボット。よく考えたら、きみはロボットだった。

ロボットだって気付かなかったロボット

ものづくり展の一環で 「今年のロボット」大賞2006 というコンテストの入賞作品が展示されていた。

大賞はエレベーターを使ってフロアを移動しながら掃除するロボット。深夜に自分でエレベーターを呼んで乗りこんで上下階に移動するそうだ。深夜残業しているとエレベーターからロボットだけが降りてくるなんてシーンに出会うことになる。こわい。このほか二足歩行ロボットなどが並ぶなか、気になるロボットが展示されていた。これだ。

はまで式全自動イカ釣り機

「誰もロボットだって気付かなかったんですが、自動制御しているので選考の結果、ロボットということになりまして」

とのこと。魚群探知機と連動したり、「シャクリ」という熟練の動きを再現する機能もついている。華々しく脚光を浴びるロボットだけじゃなくて毎日つまみをとってくれていたロボもいたとは。ロボット版青い鳥みたいな話である。

このイカロボ、年間1万台を売るヒット製品だそうである。しかし何万台のイカ釣り機で釣ってもまだいるイカっていったい何匹いるんだろう。

 

 
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