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フェティッシュの火曜日
 
パンパンのカレーパンが食べたい
気分は本郷猛の改造手術シーン。


お昼ご飯にパン二つを選ぶ時、3回に2回はアイツを買ってる気がする。そんな自分でなくてもおかずパンの横綱といっても過言ではないカレーパン。しかし、子供のころから解消されないカレーパンへの疑問がある。それは「なぜ、あんなにカレーの量が少ないのか?」

子供のころから30年食ってるはずなのに、一口噛んだだけではパンの白い部分だけ、なんてのがいまだに変わらない。もうちょっと進化していいだろうよ!パンとカレーに罪はない。ただその配分に物申したいのだ。「×種類のスパイスをルーに使用!」つったところで口に届かなきゃ意味ないよ!ということで、カレールーをパンパンに詰めたカレーパンを作ってみた。

大坪ケムタ



80%がカレールーのカレーパンを目指して

作るといっても、パン粉を練ってカレーを包み‥といった技術なんざゼロですから、既製のカレーパンでできるとこまでやってみよう。まずは最強カレーパンに向けて解体作業開始です。


これだけだとコロッケに見えますね
あらためて、切なくなるくらい少ない。

穴が小さいのはまぁ仕方がない。それにパツンパツンに入ってれば諦めもつくが、だいたい空洞まであるんだよな‥今回は目的として隙間ナシ!ひと噛みするたびにピュピュッと肉汁ならぬカレー汁があふれ出すような‥そこまでは言わんけども、カレーを食った!と実感のあるようなカレーパンを作りたい。


まずは穴を広げます
白いパンをホジっていく

写真で見ると白いパンの部分は結構厚めに見えますが、あんまりホジると穴が空きそうなのでおそるおそるスプーンでカスっていく。ひたすらサルのようにホジっていってると「中は今日の分、揚げたところは明日の分!」とか分けてる貧乏一家のような気分だ。


わかりにくいですが、白い空洞ができました

カレーをペロリとたいらげ、といっても3口4口くらいですが、中のパンを極力まで削って器を作る。カメラじゃ見にくいけども、部分によっては揚げ部分が透けて見えるほどヘロヘロなのがちょっと心配ですが‥ともかく、別に用意したカレールーを投入!


さぁ、憧れの量を注ぎ込め!

ギリギリまで削ったのもあって、この器というかパンの深さは9cmちかく。カレーはレトルトを使ったんですが、結局一袋全部入ってもまだ白い部分は余る。これだけカレーパンは甘えさせられてきたんだ!こんなに入るのに!上げ底、もしくはカレーパン偽装問題ですよ!

そんな怒りを覚えつつも最強カレーパン、ここに完成!


フタが半開きなのは目を伏せてください
まだこんなに余る

見た感じはフタのせいかカレーパンというよりも、パイ包みのオニオンスープとかみたいだな‥。しかし普通のカレーパンにはないずっしり感。そして軽くつまむとぷるんぷるんと中の液状ルーを実感できるこの期待感、普通のカレーパンでは味わえなかろう、ふふふ。と、眺めてたら、手元に熱いものが!


あわわ、崩壊!

ヤバイ!てんで慌ててバクーッ!とかぶついた。

うむ‥薄皮一枚噛んだ瞬間ミュミュっと突き破ってくるカレールー!この「あふれ出す感」こそが求めていたカレーパンですよォ!でも溢れすぎて手がベトベトだ!仕方ないから皿に移す。

数秒間の至高カレーパン体験。しかし、どこか納得いかないものがある。はちきれんばかりのルー入りカレーというのは確かに夢見ていたものであったけれど、食ってみるとどこかが違う。

それは‥そうか、カレーパンのカレーってちょい堅めなんだよな。普通のルーを入れるとそれは「カレーパン」ではなくて「カレーパンのパン+カレー」にしか成り得てないんだ!

うーん、これが「ミスター味っ子」系料理マンガだと「手に持って食べやすいのに、カレーの液状感が損なわれてなくて最高!」とかヒロインに言われてFin、なのになぁ、と思いつつ皿にスッころがした「カレーパンのパン+カレー」を混ぜて食べる。


料理名をつければ、パンの皮カレーソース和え

おや‥でもコレはコレで美味いよ。カレーパンとは別物だけど。そうだ、これは「カツカレーのカツからはがれた衣の部分にルーがついた味」だ!

カツカレーってたしかにカツとカレーのハーモニーを味わうものだろうけど、具の部分よりも衣の部分が実は主ではないか。トンカツでもエビカツでもコロッケでもカレーには相性あうけども、中身の豚にエビ・ジャガイモだけを焼いてカレーに載せても、その相性は揚げたものにはかなわないだろう。衣の威力あってのカツカレーなのである!

と、思わず「カレーにおけるトッピングは衣最強論」を唱えたくなるほど、コレは普通に美味いなぁ。このパンがもっとカリっとしてたら完璧なんだろうけど。あくまでも脂っこいのが好きなジャンク飯好きな人にとって、ですが。

あんぱんでも挑んでみました

同じ具入りパン和の王者といえばあんぱん。カレーパンに比べればまだ具は詰まってるイメージがあるが、パンパンのあんぱんにも挑戦してみた。


空ける前から空洞がすごい
今度はあんこ投入!

作り方はカレーパン同様ですが、皮がカレーパンの揚げパン状に比べると柔らかくて裂けやすい!ということでそれほどそれほどギリギリまではホジれませんでした。それはそれで、ノーマルにはないずっしり感。


中身ヘビー級あんぱん、完成です。

作り方はカレーパン同様ですが、皮がカレーパンの揚げパン状に比べると柔らかくて裂けやすい!ということでそれほどそれほどギリギリまではホジれませんでした。それはそれで、ノーマルにはないずっしり感。

そしてカジれば、口いっぱいに流れ込むつぶあんと汁!比喩じゃなくて!


まさに、したたるようなあんこ!

これはカレーパンのように崩壊こそしなかったのもあって、ものすごい濃厚あんぱんとしてはアリな気がする。でも、「どこか安心できないあんぱん」という気も‥。パンとあんのハーモニー、というか「手にとってそのままあんを食ってる」感じなんだよな。やっぱパンに入れるだけある意味、っつーのも必要なんだよなぁ。

主食+おかず、であるカレーパンやあんぱん(あんはおかずじゃないけど)。おかずを豪華にしたい!!てのは誰もが感じることだけど、やっぱバランスが大事なのだなぁ、と感じさせられました。この場合は栄養のバランスじゃなくて、量のバランスですけど。

なんかマンゴー早食いしてる人みたいだ

考えてみるとパンなのか、カレーパン

しかしカレーパン考えた人はスゴイよねぇ。パン+カレーまでは考えつくけど、「揚げる」は普通浮かばない。「煮る」おかずパンとか、「炒める」おかずパンが浮かんだらヒットするかも!もう「パン煮」「パン炒め」というおかずかもしれないが。


 
 
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