・パルミジャーノは踊るのか
「パルミジャーノは踊るのか」というのは語呂がよい。どこかの小説のタイトルのようでとても気に入った。 それはともかく、パルミジャーノを削ってみた。
おいしそうに削れた
パルミジャーノチーズは程よい湿り気があるので、とてもきれいにかっこよく削る事ができた。 いかにも踊りそうなたたずまいだ。 さっそく湯どうふにふりかけてみた。
すこし踊った
ほんのわずかだが、パルミジャーノは踊った。 このフレーズも小説の書き出しみたいでびっくりだが、湯どうふの上ですこし踊った。 融けてしまうかとも思ったが、一瞬だけ踊った。 よくやった。ご褒美をあげたい。 パルミジャーノに花束を。
ピスタチオは踊るのか
ピスタチオは、殻が割れていて食べるのには好都合だが、これはどの時点で割れるのだろうか。 夏の満月の夜、時をそろえて一斉に熟したピスタチオの実たちが弾け、その音がパーンパーンと南米の熱帯雨林に響き渡る様子を想像すると、とても神秘的でNHKスペシャルのようだが、それはあくまでも想像上の出来事で、本当はピスタチオがどこで採れるのかすらしらない。
牧草のようなピスタチオ
ピスタチオはさくさくと削れた。 とても心地よい削り心地だった。 そして、削ったピスタチオが緑だったのに驚いた。 思えば今まで、ピスタチオを割ってみたこともなかったし、じっくり眺めたこともなかった。 いつもピスタチオを僕は、うす暗いところでばかり食べていたような気がする。もしかすると、飲み屋さんの暗がりでのピスタチオにしか出会っていなかったのではないだろうか。 僕はピスタチオのことを、ほとんどなにも知ってはいないのだ。
ピスタチオは踊った
削ったピスタチオは、湯どうふの上で踊った。 かつお節ほどではないが、確かにピスタチオは踊りを見せた。 控えめな、つつましやかな踊りであった。