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ひらめきの月曜日
 
誕生日にローソクを立てまくる


リベンジ企画です

以前、誕生日を祝う企画でショートケーキにローソクを立てたことがある。しかし37本分のローソクは全部立たず、その炎の威力に恐怖すら感じる結果となった。

あれから2年。今年はあろうことか、世界的に不吉な日とされている13日の金曜日が私の誕生日である。この忌まわしさを払いのけるために、なにかすべきなのではないだろうか。「攻撃は最大の防御」という言葉もある。ただ黙って、この日をやり過ごしていいものか。

というわけで、またローソクを立てたいと思う。今回はきっちり39本、1本たりとも残すことなく盛大に燃えてもらおう。そして不吉な気分をぶっ飛ばそう。

高瀬 克子



内職か

まずは40本のローソクを用意することから始まった。単体で購入すればさほど高額にはならないローソクであるが、40本ともなると少々懐が痛む。

ローソクごときに、そんなにお金をかけてもいられまい。…と、ケチって一番安い物(24本で157円)を買ってきたのが悪かった。なんと銀紙が巻かれてない。


剥きだしかよっ!
アルミホイルで1本ずつ巻いていきます

コツコツと、約40本ものローソクに銀紙を巻き付けながら「こういう物をケチるべきではないな。いくら自分のためとはいえ、お祝いに使うものはパーッと気持ちよく出さないとな」と反省させられた。

いくつになっても人は反省をし、それを次に生かそうとする生き物なのである。けなげだろう。


内職作業、完了

この歳ともなれば、誕生日といえども目出度くはないし、イベント感もない。いつものように残業し、いつものように遅い帰宅となった。

携帯のメールに「おめでとう」のメッセージが来ても、「あー、はいはい」と生返事をしたせいか、誰に誘われることなく、一人でホカ弁を買ってきての誕生日である。それにしてもホカ弁て。

こういうのを自虐と呼ぶのだろうか。


海苔の下には明太子が敷かれております

ホカ弁を買ってきたのにはワケがある。

2年前の失敗を思い出してみよう。あれは「狭い面積に大量のローソクを立てようとした」のが敗因であり、ならば広い面積の土地を用意するまでなのだ。

今年の土地は広大だぞ。


ローソク立て放題
無事に全部が立ちました

39本ものローソクを立ててにもかかわらず「こんなに隙間がある!」と、ちょっと感動した。

コロッケやごはんに、なんの抵抗もなくスプスプとローソクが立つのは分かるが、唐揚げや蒟蒻にもすんなりと立ってくれたのが意外であった。彼らに祝福されているようで、ちょっと嬉しい。


ありがとう、ありがとう。

ここまでは順調だったが、問題は点火である。なんたって39本だ。ある程度の時間がかかる。普通のライターでは熱いだろうし、ロウソクを使ってはロウが垂れる。

仕方なくマッチを数本使って苦労した末、なんとか点火し終えた。


おお、きれいだねぇ…

とてもホカ弁とは思えない光景が目の前にあった。ローソク同士の間隔が空いているので炎が密接することもない。このままずっと見続けたいくらいに美しく、荘厳とさえ言いたくなるほどである。非常に満足だ。

では、次のターゲットに移ろう。…そう、今回用意したのはホカ弁だけではないのです。


スーパーで買ってきました

さすがに、いくらなんでもホカ弁だけでは悲しすぎるじゃないですか。自分の好きな物も食べたいじゃないですか。ローソクにうつつを抜かして忘れそうになってますが誕生日なんです。

甘い物があまり好きではないので、この丸い寿しにケーキ代わりになってもらいましょう。


これは大人のケーキだとすら思う
コンビニにひとっ走りしてチャッカマンを購入

「この企画のために開発された商品なのでは」と思わされたほど、やはりチャッカマンは素晴らしかった。熱さ知らずで安全このうえない。

さらに、一度燃えたローソクは新品の時よりもすぐに発火する。あっという間に全てのローソクに火が点いた。


ケーキの何倍もうれしい

本当にキレイだった。丸く並んだローソクは、ホカ弁の時とはまた違った美しさで私を魅了してくれた。

うっとりしつつ、炎を吹き消す。

 

さらに翌日も続きます

無事に誕生日も祝えたことだし、このまま企画を終わらせても良かったのだがローソクにはまだ余裕がある。

そこで翌朝、起き抜けに作った焼きそばにもローソクを立ててみた。


アサリとニラの焼きそば
あははは、キレイキレイ

…もはやここに意味はない。ただ、食べ物にローソクを突き立てて喜んでいるだけだ。これを火遊びを言わずして何と言おう。

でも、なんだか止められなかった。すごく楽しいんですもの。キレイなんですもの。

調子に乗って、東急ハンズまで新しいローソクを買いに行ってしまいましたよ。


今度はケチらなかった。40本分で、計840円。
ホルダー付き。高いだけのことはある
コンビニで買ってきたチーズケーキを用意
ハリネズミのようになったケーキに、いよいよ点火

細いローソクだけあって、なんと1個のケーキの上に全てが乗り切った。

2年前の記事のリベンジという意味では、これが正しい形となろう。よし、点火!


ごおおおおおおおお。

切り上げ時が肝心

思えば、子どもの頃から「調子に乗りやすい性格」と指摘され続けてきた。ローソクが密接しすぎると、どんな結果が待っているかなど、とうに分かっていたハズである。

恐ろしかった。前回の比ではなく恐ろしかった。火はキレイなだけではなく危険なものでもあると、なぜやる前に気が付かないのか。

今の私に言えることは、年齢の数だけローソクを立てたかったら小さなケーキは避けるべき、ということだけだ。ケーキ以外でも生地の厚いピザなんて、丸くてちょうどいいかもしれない。

それはさておき、ケーキからローソクを抜く時、40本分全部を立てていたことに気が付いた。ま、39だろうが40だろうが同じことですが。来年の分まで祝ったことにしておこう。


 
 
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