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はっけんの水曜日
 
竹富島の怖い展望台

水牛車は人が歩くより遅いです。

竹富島という島へ行ってきた。海がきれいな島で、水牛が人を乗せた車を引っ張って町を歩いたりしている。僕が沖縄に住み始める前に抱いていた沖縄のイメージそのままの島だった(実際に住んでみたら車がぶんぶん走っていたわけだけど)。

しかしそんな竹富島で一番印象に残ったものは海でも水牛でもなく、実は展望台だった。なぜかって、それはもう怖かったから。

安藤 昌教



これ。

なごみの塔っていいます

がまんできないので2枚目の写真からいきなり出してしまうが、これが問題の展望台だ。その名もなごみの塔。

写真で見るとスケールがよくわからないが、階段、展望台部ともに人一人入るのがやっとの狭さだ。なごめない。

この人は結局最後まで上がりきれず帰ってきました。

残念なことに今になって写真を見返してみてもいまいちその怖さが伝わってこない。僕の写真の撮り方が悪いのかもしれないが、やはりあの怖さは上ってみなくてはわからないのだ。実際僕も順番待ちをしていて、一つ前の人が怖くて上れずに立ち往生しているのが理解できなかった。直下から見ていてもそれほど怖そうには見えないのだ。

たいした高さではないように見えますが。
上るとわかります。
下が見れない。

しかし階段に一歩足を乗せると次の段が空に向かってそそり立っているのがわかる。これ、何かに似ていると思っていたのだがようやくわかった。ピラミッドだ。以前エジプトで夜中にピラミッドに上ったことがある。いや本当は上ってはいけないので「上ろうとしたことがある」と書いておこう。そう、上ろうとしたのだが、ピラミッドって上ってみないとあの怖さはわからないのだ。あれよりスケールはずいぶん小さいが、落ちたら死ねる感は互角だ。

落ちた人いるはず。

しかも階段はかなり老朽化していて、ところどころにヒビが入っていた。それを補修したためか、階段のステップの間にセメントが盛られていて足場がさらに狭くなっている。ちゃんと観光ガイドとかにも紹介されているスポットにもかかわらず人を拒んでいるとしか思えない。

町全体が見渡せます。
こちらの家は瓦の葺き替え中。
割れてる。

震える足で上ってみるとなるほど絶景だ。ガイドブックにあるような赤瓦の風景が一望できる。竹富島は古くからの沖縄の町並みが保存されており、石垣に囲まれた低い赤瓦の屋根が白い珊瑚砂の道に映えて美しい。

しかしひとたび目線を足元に移すとコンクリが割れていたりして非常に不安。耐震強度とかジェットコースター事故とか、あの波はここまでは伝わってきていないのだ。

 

行き場がないです。

ほんとやばいんだって

耐えられなくなり下山しようと振り返るとそこには何もない。恐る恐る下を見るとほぼ垂直に下る階段がある。怖いから降りたくないが降りないとよけいに怖い。

こうやってまとめたものを見直してみても、残念ながらあの「やばい」感じは伝えきれていないように思う。これはもうぜひ竹富島へ足を運び、展望台に上ってみてもらいたいです(落ちても責任は取れませんが)。

あ、そういえばもうひとつ、こちらもちょっと変わった展望台があったので紹介しておきます。


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