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ひらめきの月曜日
 
期間限定・タケノコの里


こんな光景、見たことなかったです

タケノコの季節がやってきた。水煮にして保存しておけば一年中食べられるタケノコではあるが、やはり旬の時期に食べてこそ、の食材だろう。

実は私にとってタケノコというのは小さい頃から慣れ親しんだ食べ物ではない。生まれ育った秋田でタケノコといえば、指の太さほどの「姫竹」なるものが主流であり、大きなタケノコ(孟宗竹)はほとんど食卓に登らなかった。孟宗竹の北限は東北南部と言われている。

つまり、北海道及び北東北に育った者にとって、大きなタケノコは憧れの食材なのである。好きだけど、滅多に食べられなかったタケノコ。ぶっといタケノコ。

そんなタケノコ料理を、旬の時期だけ客に供する店があると聞いて行ってきた。場所は金沢だ。

高瀬 克子



待ちに待ちました

この「タケノコの里」のことは、去年から知っていた。しかし知ったのは夏である。「ああ、行ってみたい!」と思っても、実際に行けるのは数ヶ月も先のこと。

食べたい物が即座に食べられる現代人にとって、この「待たされる」という行為は、もしかしたら非常に贅沢なものなのかもしれない。


金沢市内からタクシーでタケノコの里を目指します
どんどん鬱蒼としてくる景色

地元のタクシーの運転手さんは、行き先を告げても「ちょっと場所が分からないなぁ」と、無線で住所を確かめていた。「あのー、タケノコ料理が食べられる所なんですけど…」と言っても、どうやら御存知ない様子。

近所に宝の山があるのに知らないとは。
ま、地元というのは案外そんなものなのかもしれない。これも考えてみれば贅沢な話だ。

そんなことを考えながら、タクシーに20分ほども揺られただろうか。


別所町という、この辺り一帯がそのようですよ

山道を抜けた先に集落が見えてきたと思ったら、そこが果たして目指す場所であった。辺りを見渡せば竹がもっさもっさと揺られており、ほとんどすべての看板に「たけのこ」の文字が記してある。

「ここです、ここです」と言いながらタクシーを降りると、そこはもうタケノコ天国であった。


小屋には取れたてのタケノコが、あっちにも、
こっちにも、
ほんの50mほどの間に
タケノコがわんさか

朝採れのタケノコを扱っている店が何軒もあり、タケノコが無造作にどでーんと置かれている。

…すごい。実家でも父がよくタケノコを採ってきたが、それは細い細い種類の物であったので、こんな迫力のある光景を見るのは初めだ。

いやぁ、大きいことはいいことですなぁ。


小屋の中ではタケノコを選別
駐車場の後ろは竹林

馴染みのない光景に、いちいち「すごい」と声が出る。旅の同行者アベさんは宮城県の出身だが、どうやら私ほどには興奮していないようだ。

「宮城には孟宗竹、あるから」とのこと。「まぁでも、こんな景色は私も初めて見るけどね」とアベさん。


直売所のタケノコたち。安い!
そして太い!

さすがのアベさんも、太いタケノコを前に「すごいねぇ。これ、タケノコっていうより竹だよね」と静かに興奮している。

…よしよし。少しは興奮してもらわないと連れてきた甲斐がない。でも目で見て興奮するのはここまでだ。いざ、タケノコづくしの料理を食べに行こう! そして食べて興奮しよう!


ちなみにコチラは先日実家から送られてきた煮物に入っていた姫竹。人差し指ほどの太さ&長さ。全く興奮しない。

 

 
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