一瞬気を抜いた瞬間、つま先でかけていたグリップが外れ中腹あたりから一気に滑り落ちた。「まずいっ」と思うまもなく加速していく。「あがががが・・・」。すごい迫力だ。接地面が摩擦熱でひりひりする。下でしばらく自分を失った。
しかし次の瞬間、満足感と高揚感に駆られた僕は無意識のうちに上へと続く階段を駆け上がっていた。今思えばこれが間違いだった。
調子に乗って二度目はお尻で滑ろうと、斜面に座った瞬間に超特急で滑り出した。急いで足でブレーキをかけたら前につんのめって頭から回りながら下まで落ちた。全身を強く打ち、しばらく立ち上がれなかった。近くのベンチで昼寝をしていた会社員らしき人が「大丈夫?」と駆け寄ってきた。大丈夫じゃない。
この遊具、いいのだろうか。絶対何人か落ちているだろう。 |