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はっけんの水曜日
 
今、マンダラが熱い

書店でもマンダラブームはきてる。

「今、マンダラが熱い」という話を聞いた。そうなのか。ぜんぜん関係のない話なのだが僕は先日、たまたまプールで背泳ぎの面白さを知ってしまい、今年は背泳ぎが熱いぜ、とか思っていた矢先だった。背泳ぎよりも熱いのだろうか、マンダラ。だとしたら少し調べてみる必要がありそうだ。

安藤 昌教



マンダラとは

「マンダラが熱い」という話を聞いて半信半疑で書店へ行ってみた。そうしたら確かにマンダラ関連の書籍がいくつもピックアップされているのだ。書店の検索サービスで「マンダラ」をキーワードに検索してもらったところなんと500件以上がヒットした。確かに今マンダラが静かに熱いようだ。

そもそもマンダラとはなんなのか。元々はインドやチベットで仏教の儀式などに使用される図柄のことらしい。円形や多角形の中に収められた模様は全体として対称性を保っており、色もカラフルで美しい。なんでも、ものの本質や真理に至るために描かれる図という解釈のもと、僧侶達は数ヶ月あるいは数年かけて修行としてマンダラを製作するのだという。マンダラは単なる絵画ではなく、宇宙の調和のとれた全体性を目に見える形で表したものなのだ。心理学者として有名なユングは人間の調和のとれた全体性を現す図形をマンダラと定義した。

こんな書き方をするとマンダラにえらく崇高なイメージを結び付けてしまいがちだが、図書館でかじり読みしたマンダラ関連の書籍によれば、マンダラ(もしくはマンダラ的美術観)は自然の中にも実に平凡に存在しているものなのだという。つまり調和のとれた対象図形はすべてマンダラ的といえるのだ。

ためしに身近にあるマンダラ的なものを探してみよう。


そのへんで拾ってきた貝ですが。
例えばこの貝。こうやって見るとただの巻貝だが、見方を変えて上から覗き込んでみるとどうだろう。
ほら、見事にマンダラ。

なんとそこには対象図形、すなわちマンダラが存在している。そういう目で見ると世界は実に均衡がとれているのだ。なんだかにわかに世界の原理を理解してしまった気がするが、このあたりが人々がマンダラに魅せられる所以なのかもしれない。

これからどんどん深みにはまっていきたいと思う。


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