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フェティッシュの火曜日
 
初めての虫捕り・オオクワガタを捕まえに

本日はこれにて終了、しかねず

実は、私の合流する前に事件が起きていたのだった。いや、事件といったって彼らの言う事件とは、

「シロスジカミキリが捕れた!」

そういう見出しの事件である。牧歌的な地方紙のような見出しだ。

合流直後にその報に触れた私は「へえー」と適当に相づちを打ったのだが、その様子に、いかにそれがすごいことかを彼らは説き始めた。


「こんな風に木をかじりとるんだぜ!」「で、中に卵を産んで、幼虫は木を食い破って出てくるんだ!」

「日本で見られるカミキリの中では最大なんだぜ!」
カゴの中で恐ろしいほどにギーギーと鳴く。「この音は、首の後ろの関節を鳴らしてるんだぜ!」
「見てみろよこのゼットンみたいな顔!」(クリックで鮮明な画像が出ます)

この目が、触角の後ろにまで回りこんで作られているのだ。こんな造形が自然界にあるんだから、創造主ってすごい。

こんなものを昼間のうちに捕ってしまい、某駅に私を迎えに来てもらったときには彼らは、半分腑抜けていた。「もう帰ってもいいや」くらいのテンションなのだった。

 

本気の虫捕りにびびる

本題に戻そう。私が到着し彼らに合流したのは夕方の6時ごろ。さあ、下見もしただろうしこれからどこか地元の店で食事かしら、そのあともしかして日帰り温泉で一休み?それでもって夜の観察に出発・・・などと私は考えていた。

甘かった。駅に迎えに来た彼らは、菓子パンを食べていた。2つづつ。

言葉少なに、駅から再び山へと車で戻っていくのだった。「まだ明るいから、今のうちにもっとポイントを探す」と。

ちなみに今回のタイムテーブルであるが(もともとの予定ではなく、結果としてだが)

12:00 現地到着・買い出し
13:30〜18:00 ポイント探し・私の出迎え
18:00〜22:00 探検
22:30〜1:00 仮眠
1:30〜4:00 仕掛けエサ点検
4:00〜8:30 睡眠(河原にて野宿)

つまり、かいつまんで言えば「13:30から翌朝4:00まで、2時間半の仮眠を挟んで14時間半続けて虫捕り・野宿付き」ということになる。がががんばろう!


こんな風に。もちろん道があるわけではない。素のジャングル、天然の茂みである。

道端にクヌギを見つけると、降りてくまなく観察。
しかしポイントを登録し忘れたようで、どこだったかわからなくなる。カンを頼りにぐるぐる。

暮れゆく大地。
地味に襲う不安。

ああ、このままずっと車に乗っていたい。日帰り温泉。ムカデ。自然っていいなあ。クモ。きれいな夕日。でかいムカデ。

ぐるぐる思いはめぐる。夜が怖い。こんなプリミティブなびくびく感、小学校の運動会前夜とかアスレチック遠足以来だ(筆者は運動神経が鈍い)。


斜面に上ったりしてちょっと冒険色強まるも、ここはまだ道路に近くて「大甘」なんだとか。
ここで、さきほどのシロスジカミキリをリリースします。さようならー。

そして夜は刻々と迫る。

 

 
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