とっさに私の頭の中で
美しい顔立ちの紅顔の美少年たちが
「メーン!ドォーー!」
と爽やかに叩き合っている姿が思い描かれた。
それは美しい男子だけが入門を許可される美の世界。
美少年による美少年のための特別な剣道。
…い、いやまさか、そうではないだろう!
と慌てて妄想を打ち消しながら、
「い、今のは一体何ですか!?」
と、車を運転していた熊本県出身の同行者に尋ねた。
すると、彼は少しも驚く様子もなく、さも当たり前という風に
「ああ…。熊本では『美少年』という言い方が、一般的によく使われるんですよ。」
という返事が返って来た。
つまり、熊本では別段驚くまでもない「よくあるネーミング」だというのだった…!
植木町
我々はその時、「うえき」という場所を目指して車を走らせていた。
会話の中でも時々、
「うえきでいったん休憩しよう。」
という感じで「うえき」という名前が登場していたが、私は初めて聞く地名で、どんな漢字かは知らなかった。
ま、別に漢字が何であろうとどうでもよかった。
が、次の瞬間、ふと車の窓から見えた文字に
私は再び衝撃を受けたのだった。 |