浴衣を染める設計図
これから縛られ、染められ、浴衣となる一反の真っ白な布と、絞りの設計図、必要な道具類が配られる。
浴衣の柄を入れる設計図は、布状態の縮図と浴衣になった状態の縮図が対応しており、模様を入れるところに番号が書かれていて、どこにどう柄となって仕上がるのかがわかるようになっている。
この設計図をみながら、絞りの大きさを考えながら、洗うと消えるペンで円を描いていく。
「よし、できた!」と思って係の人に確認してもらったら、図面の見方が間違っていたらしくダメ出しを食らう。
そういえば私は、こういう「図面通りにものをつくる」というのが苦手な子供だった。そうか、今もダメか。
模様になるところを絞る
円が全部描けたら、円を描いたところに沿って、並縫いでチクチクと縫っていく。釣り針じゃない針を使うのはすごい久しぶりだ。
縫い終わったら、円の中心を台に結ばれた針に引っかけて、縫った糸をグッと絞る。
そしてグルグルと糸を硬く巻いて、きつく縛っていく。縛りが緩いと染めるときにほどけてしまったり、模様が入らなくなるらしい。
縛っていく際に強く引っ張りすぎて、針に引っかけた部分がやぶけること3回。やはり素人には加減が難しい。
この状態で染め上げて糸をほどくと、切り株みたいなかわいい模様になるのだ。
黙々と絞っていく
大広間で参加者全員が黙々と布を絞っていく。
たまに「あ!」とか「痛!」とか「切れた!」とかいう短い悲鳴だけが聞こえてくる。
私の針仕事はかなり危なっかしく見えたようで、稲葉さんがそっと手伝ってくれた。男二人、一枚の布で仲良く針仕事。どんな仲良しさんだ。
途中に美味しい昼ご飯を挟んで、どうにか絞りが終了した。