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フェティッシュの火曜日
 
木の船に乗ってじゅんさいを採る

これだけのことでいいのだ、娯楽は

うわうわ言いながらそーっと乗船。2人が乗り込み互いに背中合わせに座れば、意外と安定する。木の竿で岸から押し出し、じゅんさいの海へ出航だ。

なんとか水上で落ち着いたあと、おばさんが採り方のレクチャーをしてくれた。まだ開ききってない丸まった葉の根元を、爪でプチンと切ればOK。摘んだ葉を水中で取り落としても、自然に水面に浮いてくるから大丈夫。


タヌキとウサギが乗ってても違和感ない船。
オーナーのバケツにじゅんさいごっそり。
水はきれいだが意外と底のほうまでは見えない。
最初のうちはヌルヌルをどうしたものかと思うが、慣れてくると「プチッ」が手際よく決まる。

ザ・じゅんさいといったたたずまい。かわいいぞ。

最初は、じゅんさいの採れ頃なものを水中に見つけるのがなかなか難しかった。いつまでたってもバケツに一杯にならない。が、しかし。

船で浮き、たまに竿で移動しながらチャポチャポと手を沼に突っ込みじゅんさいを採る、これだけのことが、すごく楽しくなってきた。水面を静かに凝視したのちに訪れる、プチッという小さな衝撃のアクセント。でも獲物はプルプル。

そして目が慣れてくるにつれ、そして採り方のコツをつかむにつれ、マイじゅんさいが増えていく。

 

ふだんの生活がウソのような

それにしても、静かだ。風の音しか聞こえない。パシャッという水の音、それがたまにかすかに聞こえるだけに、余計静寂さを際立たせる。


東京は今何時だろう、などとつい考えてしまう(もちろん時差などありません)。

この一帯は採りつくしたな、と思ったら船を移動。竿1本なので船がなかなか真っ直ぐに進まない。

「あそこまで行ってみよう。」言っててなんだか自分がかっこいい。

でも目的地に尻を向けて移動。竿でよっこいしょ。
通ったあとは水面が2つに割れてた。

またも「ザ・じゅんさい」。ヌルヌルがすごくてスーパーボールみたいになってた。

時間を忘れてじゅんさい採りに没頭。頭を文字通り沼にうずめんばかりだ。

船がひっくり返らないかと心配だったが、よほど揺らしたりしないかぎり大丈夫そうだ。もし沼に落ちても、底は60cm程度と浅いのでおぼれることはない。

日が暮れて風がひんやりしてきて、そろそろ帰る時間みたいだ。


少しでも多く採ってお得に・・・という考えはすでにない。採ること自体に夢中。
おばさんが何か1人で言ってると思ったら、携帯で電話してた。すごい違和感ではある。

 

 
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