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ひらめきの月曜日
 
『アボカド』か『アボガド』か、それが問題だ 〜アボカードって読みかたもあるらしいよ〜

またもやミラクルだ


アボカード

この表記を見つけたときはちょっとコケた。まさかアボカードという呼び名が出てこよう、とは。それにしてもどうして渋谷も新宿もイジワルなんだ。結果を決めさせようとはしない。

 

キザなアナタは、今後アボカードと呼びましょう

でも、アボカードってどこかキザっぽくていい呼びかただ。田中康夫さんとかの小説に、アボカードって出てきたら似合うんじゃないですかね。勝手なイメージで書いてますけど。


途中経過

  アボカド アボガド 結果
渋谷 引き分け(0-0)
新宿 引き分け(0-0)

またしても引き分け

 

池袋はアボカド2票、アボガド1票でアボカドの勝ち。

ここからちょっと急ぎ足で行きます

新大久保駅、高田馬場駅と、降りては見たものの、アボ○ドを売っているお店にめぐり合わなかった。新大久保は小さい八百屋が多かったためアボ○ドをおいていないお店が多く、高田馬場は1人暮らしの人が多いのか調理がしやすそうな野菜しか取り扱っていなかった。目白駅を飛ばして、池袋駅で調査した。

 

池袋では、百貨店の支持を受け、アボカドが多数派となる

池袋では、百貨店系が2軒と、街の小さな八百屋さんで調査したが、やはり百貨店は2つともアボカドでした。写真一番下の店舗はなぜかボールペンの文字で書いた紙を上貼っていた。下に何が書かれていたのか、剥がしてみたい衝動に駆られた。

池袋 アボカド2 アボガド1 アボカドの勝ち(1-0)

 

今まで庶民派の八百屋=アボガド、高級店=アボカドの表記が鉄則だったが、このお店は庶民派スーパーでしたがアボカドでした

日暮里もやっぱりアボカド多数

池袋から数駅飛ばし、都心を走る山手線の中では一、二を争う住宅地、日暮里で降りることにした。(大きなターミナル駅ばかりだと百貨店の売り場での調査が多くなってしまうので)。谷中銀座が近く、情緒溢れる街だが、成田空港へ最も近い空の玄関口でもある多面性を持った街である。

結果は、谷中銀座の八百屋・スーパーでアボカドが2票。あとの1軒がどちらの表記でもアボカド2票なのでコールドゲームとして、日暮里はアボカド支持、とした。

ちなみに、谷中銀座の八百屋さんのご主人に、「アボカドはありますか?」と聞くと、「あ、アボガドはこっち」と言って「アボカド」と書かれた札を指差してました。日本語はいつからカとガが同化してしまったのだろう。

日暮里 アボカド2 アボガド1 アボカドの勝ち(2-0)

 

御徒町では、何の迷いもなく「アボガド」と力強く書かれておりました

御徒町、アメ横八百屋密集地はアボガドが制す

日暮里から上野をまたいで御徒町にやってきた。ここは全国的にも「大晦日、買出しに来る客で殺到する」ことで有名なアメ横が近い。いわば、山手線の台所と言っても過言ではないだろう。この街がどっちの判断を下すのかは重要だ。

アボカドの独走態勢に待ったをかけるように、この街ではアボガドの表記が圧倒的に多かった。アボガドは下町で強い。

御徒町 アボカド0 アボガド3 アボガドの勝ち(1-2)

 

有楽町では、銀座の百貨店系、専門店に押され、圧倒的にアボカド多数。

有楽町はどうだ?

御徒町から、秋葉原、神田、東京、と都心部をずーっと南下し、有楽町へやってきた。

有楽町(銀座)では、百貨店も、専門店も含め、どこに行ってもアボカドで統一されておりました。ひょっとして有楽町では、『アボカドと書きましょう』という回覧板が出回っているのかもしれない。

有楽町 アボカド3 アボガド0 アボカドの勝ち(3-1)

 

品川もアボカドだらけ。アボガドは売ってませんか?

品川もやっぱり…

有楽町から一気に東海道線や京浜東北線との分岐点とでも呼ぶべき品川にやってきた。

ここも2軒しかスーパーがなかったものの、ことごとくアボカドと書かれていた。つまらない。

店員さんにもわざと「アボガドはどこですか?」と聞くも「アボカドはこちらです」とわざわざ言い直されてしまった。品川は、アボガド派が生きていくには非常に肩身の狭い街である。

品川 アボカド2 アボガド0 アボカドの勝ち(4-1)

 

結果


  アボカド アボガド 結果
渋谷 引き分け
新宿 引き分け
池袋 アボカドの勝ち
日暮里 アボカドの勝ち
御徒町 アボガドの勝ち
有楽町 アボカドの勝ち
品川 アボカドの勝ち
合計 12 4vs1でアボカド

終わってみると、アボカドの4勝1敗2分けで、圧勝と言ってもいいぐらいアボカド派が多かった。やはり辞書は正しい、ということであろうか。しかし、単純に調べた店舗を足すと、アボカド12軒、アボガド7軒で、拮抗していることが伺える。

今回の原稿を書いているときも、「アボカド」でも「アボガド」でもばっちり変換できるので、少数派とされるアボガドにも、しっかり市民権があるんだなーと思った。

御徒町が日本の首都だったら、アボガドが日本の常識だったかもしれない。

正しいか、正しくないかなんてどっちでもいいと思いませんか?

この日の夕食はもちろんアボカドでした。(←晴れて、アボ○ドの表記ではなくなった)

僕の個人的な記憶を頼りにすれば、アボカドという食品が、食卓に頻繁に登場するようになったのはこの15〜6年以内の出来事だったと思う。少なくてもアボカドは、ニンジンやタマネギとイコールではない。(ですよね?)

10年ぐらい前まではアボガドと呼ぶ人が多かった気がする。その後、いつの頃から「アボカド」が正しい表記である、ということが浸透しはじめた。このため、古くから取り扱っている御徒町のお店なんかはアボガドが今も主流派なのではないか。

ところで、日本人の言語感覚としては、アボガドのほうが発音しやすい。本来の言葉の音に近い「ピビンバ」ではなく、「ビビンバ」が浸透しているのも、「ビビンバ」のほうが言いやすいからだと思う。そう考えると、間違いもあながち間違いではない。「シネマ」を「キネマ」とあえて呼ぶのは今日的な意味合いではちょっとオシャレな言葉だと思うのだが、アボカドをあえて「アボガド」と呼ぶのが通っぽい、なんて時代がひょっとしたら来るのかもしれない。

「アボカド」か「アボガド」かは、お好きなほうを選ぶと良いと思います。あ、もちろん「アボカード」でもいいけどね。


 
 
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