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ロマンの木曜日
 
農業用モノレールに乗りたい

四国の奥地へ


というわけでやってきたのは、四国の中央よりやや東に位置する徳島県三好市。その中でも平家の落人が住み着いたと言われるほど山深い場所で、市町村合併が行なわれた2006年3月までは東祖谷山村だったところです。
モノレールは、狭くて曲がりくねった3桁国道から少し入ったところにある「いやしの温泉郷」という温泉宿泊施設の敷地内で営業されていました。


いやしの温泉郷入口 何と70分も乗れるらしい

「乗る前にトイレに行け」という看板はほかにもあちこちにありました。実はこのモノレール、三好市が観光のためだけに設置したもので、全長4,600m、高低差590m、最大傾斜40°、最頂標高1,380mという数字はどれも世界一。「観光用モノレール界」が世界にどのくらい広がっているのかは分かりませんが、かなり半端ない施設であることは間違いなさそうです。
ちょうどモノレール乗り場の前にトイレがあったので、催してはいませんでしたが僕もいちおう入っておきました。


紛れもなくあのモノレールだ! 駅名はなく、単に「駅舎」

山道を長時間運転してきて疲れていましたが、このレールを見た瞬間に吹っ飛びました。駅名も、こういう施設だと「きぼう駅」とか「ほほえみステーション」などと名付けてしまいがちですが、特に名前はなく単に「駅舎」。この潔さはかなり好感が持てます。さっそく中に突入、切符を買って乗り口へ向かいます。どんなんだ。早く乗ろう。

平日だったせいか、僕の前に乗客はなく、すんなりと切符を買って乗り場までやってきました。いよいよあのモノレールに乗れるのです!



ばーん!


・・・

あのー、何だかイメージしてたのとだいぶ違うんですけど…。屋根はいいとして、先頭から角が生えてるし、顔が書いてあるし。
これに一人で70分乗るのは辛いなぁ、と思ったのですが、ほかにお客さんもいないし、せっかく来たので乗り込みました。

席に座ると、係の人がシートベルトを締めてくれます。また壁には無線機が。途中で何かあった場合の連絡手段とのことで、これがタダの遊戯施設でない証拠です。

発車準備完了、いよいよ出発します。


スタート地点の標高は790m、これ覚えといてね 下り坂で加速したらどうしようかと思った

ガクンという軽い衝撃のあと、モノレールはのろのろと出発しました。
出てすぐ下り坂でジェットコースターみたいに加速したらどうしよう、と一瞬びびったものの、ラックとピニオンのお陰で速度は一定。
ちょっと残念なのは動力がエンジンではなくモーターであること。もっとも、途中でガス欠になっても困るし70分間排気ガスを出すのもどうかと思うのでこれでいいのかも。電気はレール左側の架線から集電しているそうです。

スタート地点からUターンし、いよいよ590m上を目指して登りはじめます。


 

 
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