箱の中へとさらに迫る
これか!中を一目見て、歓声が上がった。金属の箱とは、使い込まれた感じの缶だった。実寸は23cm*23cm*14.5cm。この中にどっさりと写真が入っている。「多分おかきが入ってたのかな…」というので素材はスチールであろう。昔はおかき、今心霊。ここまでダイナミックな変容を遂げたのは缶としても缶冥利につきる思いだったろう。
心霊写真は、封筒の中に入っていた。実家に住んでいたころ、すぐに人に見せられるようにと、封筒に入れてリビングの引き出しに入れていたそうだ。その名残で今もそのまま封筒に入っているのだと言う。封筒のサイズは15cm*9.5cm。ちょうど写真がすっぽり収まる大きさだ。なるほど、心霊写真といえど「ぴったりサイズ」は収納におけるキーワードか。勉強になる。
大北:他の写真と一緒に入れていますね
マチューさん:そうですね、特に恐ろしいような写真というわけではないので。どちらかというとこっけいというか、ともだちに見せて笑いが起きるような写真ですから。仲のいい友人にはだいたい見せましたよ。
大北:お寺で心霊写真を供養してくれるサービスもあったりしますが?
マチューさん: もう少し怖い感じの写真だったらいったでしょうね。でもこれは、もしかしたら心霊写真というよりも、UFOとかそういう類のものに近いかもしれません。
石川:では、今後この写真は…?
マチューさん:このままですね。改めて何か悪いことでもあれば、飾ったりするかもしれませんけど。何もなければこのままです。
マチューさんが所有している写真はおもしろい心霊写真なんだろうか。人に見せて楽しいもののようだ。こういう心霊写真ならば一家に一枚あってもよろこばしい。お茶請け代わりにそっと心霊写真を、というのもなかなか粋なおもてなしだろう。心霊写真でもお上がりやす。京都辺りでそんな風習があったりしないのだろうか。
マチューさん:せっかくですから写真、見ますか?
大北、石川:けっこうです。(怖いので)
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