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ロマンの木曜日
 
もしも地下鉄が地上を走っていたら

景色が流れるのを見たい

前のページでなぜ失敗したのかを考えてみた。そもそもの動機は、地下鉄で景色が見られなくて退屈だ、というところにあったはずだ。ぼくが見てみたいのは、あんなハメコミ合成の写真じゃなくて、地下鉄なのに外の景色が流れていくさまなのだ。


丸の内線の四ツ谷駅にやってきた


そこで、東京メトロ丸の内線の四ッ谷駅にやってきた。丸の内線は地下鉄でありながらここでいったん地上にでて、赤坂見附に向かう途中でトンネルに入る。地図で位置関係を確認すると、こう。


中央を縦に走る点線(右側)が丸の内線

画面下方の赤坂見附に向かう途中、中央下の信号のマークのあたりで電車はトンネルに入り、以後は道路の下をすすむ。

そこで、電車の先頭からのようすを録画しておき、さらに道路の上を別に自転車で走ったようすを録画し、それらを合成してみたい。そうすれば、自分の乗っている地下鉄がいまどこにいるかが分かるはずだ。これはすごいぞ。


この電車からの風景と、
真上の道路からの風景を合成するのだ

 

これが完成動画だ!

そういう合成はマスキングという方法でできるらしい。・・と思ってやってみたのだが・・、これが全然うまくいかない。知人で動画作成に詳しいAさんにお願いしたところ、あっというまに以下のような映像ができあがってきた。ありがとうAさん!


地下鉄から見る地上の風景の動画。
(音はでません)。

 

なんでこんなにコミカルなのか

動画は電車からの風景ではじまり、トンネルをくぐった後に、車窓だけが地上の風景に切り替わる。

ただ、見ていただければ分かるのだが、あふれんばかりの手作り感にあふれた、やたらコミカルな映像になってしまった。知人の腕は確かなのだが、素材がよくなかった。地上の風景を撮った映像が自転車に据え付けたカメラだったため、左右にぶれまくるのが何よりの反省点だ。

しかし、それでもぼくがやりたかったのはこういうことなのだ。ああ、こんなところを地下鉄は走っていたのか!という発見。できるならすべての地下鉄で車窓に地上の風景がうつることをぼくは願う。または地面が透明になればいいのに。

地下鉄は「点と線」か

東京に来てからしばらく、駅どうしの位置関係をつかむのに苦労した。駅のまわりの風景はしばらくすれば覚えることができる。ただ、地下鉄の駅と駅の間はまるでワープしているような感覚で、どっちにすすんでいるのか、どこにいるのかさっぱり分からない。

そういう意味では、地下鉄の駅は「点と線」の集合のようなものだと思う。点どうしの距離や向きの情報は重要でなく、点どうしのつながりだけが認識されている。

ただ、それだけだとやっぱりさみしい。地下鉄に乗りながら、今いる場所の地上がどうなっているかということが分かったほうがうれしいし、これからもそういう想像をしながら電車に乗りたいと思う。


 
 
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